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REDSニュース|梅崎司、涙の別れと決意 〜書籍刊行イベント|レッズプレス!!

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梅崎司、涙の別れと決意 〜書籍刊行イベント


きのう1月14日(日)夜、さいたま市浦和区にある書店「須原屋」本店にて、12月に東邦出版から出版された書籍『15歳 サッカーで生きると誓った日』の刊行記念のサイン会&トークショーが実施された。

この単行本の著者は、今季からJ1リーグに復帰した湘南ベルマーレへ完全移籍した梅崎司。単なる刊行記念のサイン会&トークショーではなく、梅崎がこの会を通じて、サポーターに直接、移籍の理由を伝える場となった。

事前に配布、電話予約された参加券を手にした浦和レッズサポーターを中心とした100名を超える読者は、会の開始1時間以上前から須原屋本店に並んでいた。会場には「梅サポ」からのスタンド花や「司」と描かれたアレンジ花、さらに横断幕やゲーフラが貼られ、梅崎はその光景を見ただけで目頭を熱くしていた。

涙と笑顔に包まれた2時間。サイン会では1人1人と丁寧に交流しながら、書籍にサインを入れる梅崎。その後のトークショーでは、ラジオFM NACK5やラジオアプリ「勢太郎の海賊ラジオ」で浦和レッズ専門番組のパーソナリティーを務める大野勢太郎さんが進行役を務め、梅崎にずばりと移籍の経緯を尋ねた。梅崎は何度も涙をこらえながら、移籍の決め手は、湘南を率いる浦和レッズOBの?貴裁監督の熱意だと触れた。

梅崎司という1人の選手の本来の姿を出したい自分自身と、出させたいという目の前の指揮官。両者の想いが一致し、「もっとすごい自分を見たい、違う景色が見たい」という想いが募り、決断に至ったと説明した。?監督は「黒子に徹して成長しているお前も良いけれど、お前はもっと1番に輝いて欲しい」と涙ながらに伝えられたという。自分以上に自分のことを考えてくれた監督のもとで、たとえ、ユニフォームの色が変わったとしても戦おうと決意を固め、梅崎は2018シーズンのスタートを切った。

最後に、梅崎は「浦和レッズサポーターの皆さんと別れるのは辛い。ここに入れなかった方もいたし。1つだけ心残りなのは、去年、自分のチャントを歌わせることができなかったこと。このチームは特別。簡単なプレーではチャントは歌ってはくれない。何でなんだよ、と思った時期もあったが、それには意味があって、自分がプレーで皆さんに還元しないと、そして自分自身が気持ち良いプレーをしないと歌ってはもらえなくて、そこで初めて、みんなと大きな喜びを、チャントの大合唱で一緒に興奮を、感動を味わうことができるのだなと僕は思っていた。去年、絶対に歌わせてやると思っていたが、それが叶わず残念で悔しい。でも、ユニフォームの色は変わるが、そこで皆さんが『ウメらしいプレーだな』と、楽しく、ワクワクするようなプレーを絶対に見せる。数多く見せるので、その時は、心の中ででも歌って下さい。本当に10年間、ありがとうございました」と涙を流しながら想いを口にし、深々と頭を下げた。

すでに浦和レッズも、湘南ベルマーレも始動している。この会の開催にあたっては、両クラブの理解なしには実現しなかったと書店、出版社、登壇した梅崎、そして著者の1人である安藤隆人さんは言う。

梅崎は湘南の練習帰りに浦和へやってきた。チョウ監督は、時間に余裕を持って浦和へ送り出そうと、そのために早めに予定したメニューを切り上げたそうだ。すべてのサポーターにむけて、梅崎が直接想いを伝えられる場ではなかったが、区切の夜。寂しくもあり、幸せな時間が流れた。

梅崎が会場を後にする時には、集まったサポーターから梅崎のチャントが沸き起こり、梅崎は満面の笑みを浮かべ、ガッツポーズを見せた。(有賀久子)






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