京都サンガF.C.が12年ぶりにJ1復帰を果たした。
28日に行われたJ2第41節千葉対京都(0△0)で、京都に期限付き移籍中のDF荻原拓也は左SBで先発。推進力を生かしたドリブルで敵陣に進入するだけでなく、機を見て右サイドに回っては強烈なミドルシュートを放つ。セットプレーのキッカーとしても強烈なボールを入れるなど、大車輪の働きを見せていた。
荻原は90分にベンチへと退いたが、昇格が決まった瞬間には「感情を隠しきれなかった(苦笑)」と目に涙を浮かべていた。その後は、浦和時代のチームメートだった千葉のDF鈴木大輔と抱擁を交わした。
荻原は「勝ち切れなかったが京都らしいサッカーができた。SBだけど右からの攻撃に参加したり、自分の可能性を広げられている」とコメントした。
ちなみにSNSで公開された試合後のロッカールームでは、曹貴裁監督が「やったぞ!」と右手を大きく振り上げると選手たちは監督の近くに集まり、大きな歓声を上げていた。「サッカーをやっていて良かったと思える瞬間を味わった(笑)」(荻原)とのこと。仲間と喜びをぶつけ合い、目標を成し遂げた嬉しさが頂点に達したのだろう。
チームは24勝11分6敗の成績を残し、荻原も39試合に出場。1試合も簡単なものはなかったが、「1日も手を抜かず練習をやってきたので充実感がある」(荻原)と言う。
浦和のユースからトップチームへと上がり、中々、試合に絡むことはできなかったが、当時を懐かしむように振り返り「プロの舞台で使ってもらえず、何クソ!の気持ちでやっていたが、今シーズン、戦ってみて自分の力不足だと今でも思う。特に大槻(毅)さんには、ユースの時からお世話になっているので、活躍を見てくれているかは分からないが、自分を形成する影響を与えてくれた方」と、恩師に成長することでの恩返しを口にした。
現時点で荻原の去就は発表されていないが、チームに帰ってくるとするならば戦力の上積みになることは間違いない。
武者修行に出ている荻原は着実に成長している。
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