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REDSニュース|[代表]リオからの便り(8月7日)|レッズプレス!!

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[代表]リオからの便り(8月7日)

サッカージャーナリスト・六川亨によるブラジルからの現地レポートを掲載。


遠藤航
コロンビア代表戦は戦い慣れた「4-4-2」で井手口陽介とボランチを組んだ遠藤航。井手口が左サイドの中島翔哉とコンビを組んで攻め上がれば、遠藤は右サイドのバイタルエリアに顔を出して攻撃をサポートした。前半34分には右CKに飛び込み、そのこぼれ球を左サイドで拾った興梠慎三が絶妙なクロスを入れたものの、藤春廣輝のヘディングシュートはヒットせず右に外れた。

もちろん守備でもコロンビアのコントロールタワーであるドルラン パボンにほとんど仕事をさせず、ヒヤッとさせられたシーンは前半18分の1回だけ。これはGK中村航輔がファインセーブで逃れた。

コロンビア戦は2-2のドローに終わり、準々決勝進出にはスウェーデン代表戦での勝利と同時に、コロンビア代表がナイジェリア代表に負けるか引き分けるしか、可能性はない。しかしながら遠藤は「ブレずにやっていく、自分たちを信じること。次は(コロンビア戦と)同じサッカーをして勝点3を取ることだけです」と初勝利を誓うと同時に、まだ諦めていないことを断言していた。

興梠慎三
コロンビア戦はノーゴールに終わったものの、随所に「らしい」プレーを見せた。まず前半11分、室屋成のクロスをペナルティエリアでていねいに落とし、矢島慎也の決定機につなげた。前半34分には右CKのこぼれ球を左サイドで拾うと、藤春に絶妙なクロスを送った。シュートチャンスこそ少なかったものの、アシスト役に回って決定機を演出した。

興梠の活躍は攻撃だけではない。ナイジェリア戦は1トップだったため前線からの守備は機能しなかったが、浅野拓磨と組んだ2トップでは連動して前線からプレスを掛けることでコロンビアの攻撃をスローダウンさせ、味方DF陣の守備の負担を軽減させていた。FWならゴールを狙いたくなるのが習性だが、状況に応じてアシスト役に回ったり、守備で労を惜しまず貢献したりするのも興梠らしいプレーと言える。

残念ながらコロンビア戦は勝点3を奪えなかったが、試合後にも興梠には試練が待っていた。この試合のドーピングコントロールに指名されたのだ。尿検査が終わるまでホテルに帰ることはできない。すでにチームバスは出発したものの、現地時間0時20分を過ぎてもまだ尿は出ない。猛暑の中で90分間フル出場したため、水分は体内に残っていないからだ。チーム広報は「何もフル出場した選手を選ばなくてもいいのに」とぼやいていた。

(サッカージャーナリスト・六川亨)



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