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ツヅキック(都築龍太の試合分析)

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「普通にやっていたら勝てる」という自信が見え隠れしたのが、引き分けになった原因(J1第3節・長崎戦)

浦和レッズで活躍された元日本代表GK都築龍太さんが試合を解説。聞き手は、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』の田中直希記者です。


RP:3月10日(土)に行われた明治安田生命J1第3節のV・ファーレン長崎戦は、1-1の引き分けになりました。これでリーグ戦は3戦未勝利となっています。
都築:残念な試合だった。昇格してきたチームだし、勝てるかも、という見ている側の希望があった中で、勝てなかった。試合を冷静に分析すると、攻撃はチグハグ。守備では何が悪かったというとそこまでないが、相手にうまくやられたなという感じ。ただ、全体的に見れば運動量で、特に攻守の切り替えのところで負けていた。それは、気持ちの部分もある。レッズが殿様気分というか、少し構えてしまった。「やれるもんならやってみろ」というような。その点、相手はがむしゃらに来ていた。そのギャップはあったと思う。すごくピンチがあったわけでもなかった。

RP:それでも、勝てなかった。
都築:相手が強かったというわけではない。例えば長崎のメンバーを見ても、有名な選手はほとんどいない。対戦したことのある選手もほとんどいなかったと思う。そういうときは、戦う際のメンタルがいつもと変わってくる。どういう選手なのかわからないというのもあるけど、わからないなら対策をそこまで考えなくていいや、となってしまうところもある。自分が現役のときに、そういう考えになってしまったことはある。実際の試合でも、メンタル面が作用したのか、がむしゃらさについては間違いなく負けていた。「絶対に勝たないといけない」という気持ちより、「普通にやっていたら勝てる」という自信が見え隠れした。それが、引き分けになった原因だと思う。

RP:たしかに、いつかは点が入るだろう、というような試合運びに見えました。

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都築龍太 -profile-
1978年4月18日生まれ。
2003年にガンバ大阪から浦和レッズへ加入。2010年に湘南ベルマーレへ期限付き移籍後、現役を引退。日本代表としても6試合に出場した。

(c)REDS PRESS