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ツヅキック(都築龍太の試合分析)

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良い意味での無駄な動きをいっぱい作っていかないと(J1第29節・神戸戦)

浦和レッズで活躍された元日本代表GK都築龍太さんが試合を解説。聞き手は、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』の菊地正典記者です。


RP:10月14日(土)に埼玉スタジアム2◯◯2で行われたヴィッセル神戸戦は1−1の引き分けに終わりました。
都築:ミラーゲームのような試合だった。フォーメーションも同じではないけど似たような形だったし、お互いに相手がボールを持っているときは陣形を作って守って、速い展開は少なかった。最近の神戸の試合はそんなに見ていたわけではないけど、思ったよりレッズに近いサッカーをやっている。しっかりボールをつないで。それがお互いに出たので、縦に速い展開はあまりなかったと思う。

RP:レッズとしては「またも」という言い方になるかもしれませんが、立ち上がりに失点を喫してしまいました。
都築:1失点はかなり響いたと思う。バウンドが変わって予想外のボールだったと思うけど、1人しか対応していなかったことも含めて、時間も4分ぐらいだったし、集中しないといけない時間帯にミスが失点につながった。2週間ぐらい空いて試合があるなかで注意しているとは思う。先制点を与えないということは。それでも与えたというのは甘さが出た。

RP:速い時間帯に得点が動きましたが、比較的、手堅い展開が続きました。

都築:いまのレッズは、相手がポゼッションしているときは一旦引く。取りどころが自分のゴールに近くなってしまう。だから前で攻めて、後ろで守って、という形でなかなか中盤での攻防がない。カウンターもそこまで受けないけど、そこまでできない。レッズとしてはやりにくかったと思うし、神戸としてはやりやすかったのかもしれない。ポドルスキが前にいない。中盤でポゼッションに入っていたから、前にそこまでの脅威はなかった。でも、レッズの攻撃も縦パスが全然入らなかったから、チャンスがあったときはセットプレーからの流れでマウリシオが2本ぐらいあったところと、(83分の)興梠(慎三)選手のヘディング。つないでサイドに展開していたけど、クロスの質は興梠選手のヘディングは良かったとしても、あとは単純に放り込んでいるだけかなという単調な攻撃だった。レッズがボールを取った後も相手がコースを切っていたけど中盤でのプレッシャーがなかったから常に同数だった。レッズも人を置き去りにしてリスクを冒して数的優位を作ることがなかった。

RP:先制を許しましたが、前半のうちに同点に追いつくことはできました。

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都築龍太 -profile-
1978年4月18日生まれ。
2003年にガンバ大阪から浦和レッズへ加入。2010年に湘南ベルマーレへ期限付き移籍後、現役を引退。日本代表としても6試合に出場した。

(c)REDS PRESS