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ツヅキック(都築龍太の試合分析)

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ビルドアップはGKだけの問題でない(YLC準々決勝第1戦・神戸戦)

浦和レッズで活躍された元日本代表GK都築龍太さんが試合を解説。聞き手は、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』の菊地正典記者です。


RP:8月31日(水)、ノエビアスタジアム神戸で行われた2016JリーグYBCルヴァンカップ準々決勝第1戦・ヴィッセル神戸戦は、2-1で浦和レッズが勝利を収めました。リーグ戦の敗戦から中3日の日程でしたが、ルヴァンカップでは準決勝進出に前進しました。

都築:負けた後の試合ということで、こうすればいいだろうと分かった上での試合というか、守り方だったと思う。ちょっとディフェンスラインを下げたというか、相手の前線をケアする人数を増やしたのかな? そうすると攻撃が手薄になるリスクはあるけど、前線の3人プラス、ニウトンは個人で崩せるので、ある程度、ケアしないといけない。それプラス、阿部(勇樹)選手が長い1本のボールを出させないようにすごくケアしていた。取りに行くんじゃなくて、コースを限定したり。そういうところが見えていた。阿部選手の動きが前回のリーグ戦と変わった感じがした。あとは中盤でのミスが前回より少なかったことも含めて、ショートカウンターや一発で当てられてピンチになることが少なかった。特に前半は何本かあったけど、そこも最後で対応できていた。

RP:前半から試合のペースを握れていたと思います。

都築:前半はレッズのペースだった。特に左サイド、関根(貴大)選手が際どいボールを結構上げるなど、そういうところが良い点としてあった。得点シーンは1点目がオフサイドっぽかったし、その形で抜けられるということは際どいプレーだったと思うけど、あの形は、ほかにも何本かあったから、神戸のディフェンスラインがバラバラだったか浅めだったか、そこをうまく突けた。1点目はズラタン(リュビヤンキッチ)選手がスルーいとうか触れなかったんだとは思うけど、高木(俊幸)選手がよく走れていた。サイドを崩した典型的な得点だった。

RP:1点目は良い崩しからの得点シーンですが、その後、残念な形で失点をしてしまいました。

都築:GKは大谷(幸輝)選手だったが、ビルドアップもそうだし、失点シーン以外に関しても、(大きく)蹴る部分が西川(周作)選手より増えていた。現時点では、西川選手が出ている時の方がビルドアップはうまく行く。でも、ビルドアップがGKだけの力でうまく行くことは絶対にない。
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都築龍太 -profile-
1978年4月18日生まれ。
2003年にガンバ大阪から浦和レッズへ加入。2010年に湘南ベルマーレへ期限付き移籍後、現役を引退。日本代表としても6試合に出場した。

(c)REDS PRESS