GKの立場で関根貴大のゴールを解説(2nd第7節・湘南戦)
浦和レッズで活躍された元日本代表GK都築龍太さんが試合を解説。聞き手は、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』の菊地正典記者です。
RP:8月6日(土)に埼玉スタジアム2002で行われた明治安田生命J1セカンドステージ第7節・湘南ベルマーレ戦は、4-1で浦和レッズが勝利を収めました。結果として完勝でしたね。
都築:完勝だったと思う。得点する時間帯も全て良かったかなと。崩し方も含めて。ただ、湘南はディフェンスラインが浅かった。湘南はいつもそうで、コンパクトにして運動量で勝負する中で、レッズとしては崩せた部分もあるけど、縦に急ぎすぎていたところもある。そうは言っても1点目もそうだし、場面場面ではラインが浅いところを利用できていた。そういう意味では、湘南からすると運動量は多かったが、その効率は良くなかった。
1点目は、西川(周作)選手も素晴らしかったが、動き出した関根(貴大)選手が良かった。相手GKの判断のミスはあったけど、ああいう形の得点はなかなかないし、相手の弱点を突けたかなと思う。
RP:やはりあの1点目はパスを出した西川選手、そして判断ミスと言われても仕方ない村山智彦選手。それぞれを元GKの都築さんに、それぞれの立場について解説をお願いします。
都築:難しいですね。村山選手としては1回止まってしまった。あそこで思い切って出ていれば違っていた。手を使えないと思ったから止まったと思うけど、今のサッカーでは、それではダメ。あそこまでラインを高くしているんだったら、GKも出ないといけない。逆に西川選手はGKの位置が低いから狙ったかもしれない。あそこはGKを褒めるんじゃなくて、あそこにプレッシャーを掛けたり、狙ったりした選手が頑張っていたということ。
RP:西川選手もやはり関根選手に感謝していました。
都築:もちろん決めてくれなきゃアシストにならないし、GKが狙ったところで、そうならない場合がほとんど。そこを関根選手が一生懸命狙った。あれは攻撃側からしても怖い。そこを恐れずにつっこんだのも良かったし、湘南からしてもあの失点でリズムが狂った。あれがなければ、もう少し粘れれば、という気持ちだったと思う。それも含めてサッカー。レッズは崩しの部分に関してはロングボールも含めて良かったと思うし、最近良いと思うのは、槙野(智章)選手と宇賀神(友弥)選手のライン。宇賀神選手が右足で巻いたボールが得点、チャンスになることが多い。
RP:1点を先制した後はやや落ち着いた形になりましたが、監督や選手からすると運動量を上げられなかったようです。
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都築龍太 -profile-
1978年4月18日生まれ。
2003年にガンバ大阪から浦和レッズへ加入。2010年に湘南ベルマーレへ期限付き移籍後、現役を引退。日本代表としても6試合に出場した。