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ツヅキック(都築龍太の試合分析)

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相手がガッツリ来ない中での守備は難しい(2nd第6節・甲府戦)

浦和レッズで活躍された元日本代表GK都築龍太さんが試合を解説。聞き手は、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』の菊地正典記者です。


RP:7月30日(土)に行われた明治安田生命J1セカンドステージ第6節・ヴァンフォーレ甲府戦は、2-0で浦和レッズが勝利を収めました。内容を含めて完勝でしたね。

都築:レッズとしては難しくない試合だった。最初の5分ぐらいは甲府が前から来た感じはあったけど、浦和が甲府の攻撃を受けたわけではなくて、ドゥドゥ選手の個人能力というところはあった。甲府は最後までその感じだったけど、あそこにボールが入った時だけ脅威だった。

ドゥドゥ選手は一瞬の1、2メートルのスピードがすごく速い。周りが攻撃的に絡んできたら、もっと生きる選手だと思うけど、浦和はそこで一番のストロングポイントをしっかり潰(つぶ)せた。1人が見るわけじゃなくて、ドゥドゥ選手がいるところを全体的に守れた。ほとんど仕事をさせなかったし、スピードに乗らせる前に潰せた。でもドゥドゥ選手はうまかったし、ファウルで潰さないといけない場面もあった。でも、そこはうまく対応できた。

RP:選手たちも立ち上がりは悪かったと言っていましたが、その時間帯でもピンチらしいはありませんでした。

都築:前半に関しては浦和がボールを持っていたし、甲府は思ったより守備的には来なかったけど、攻撃的でもなかった。シュートも少なかったし、打たなかったのか打てなかったのかは分からないけど、浦和としては決定的なピンチも最後の1本ぐらい。無失点だったし、ディフェンスもほぼパーフェクト。

RP:今までの甲府戦はなかなか相手の守備をこじ開けられない展開が続くことが多かったですが、14分と比較的早い時間帯にゴールを奪うことができました。

都築:得点シーンはどちらも同じような形だったけど、多分、甲府はレッズみたいにパスを出されたところを狙って潰すんじゃなくて、一対一になった状況で守る。パス出されたところに飛び込む選手には付かない。前を防ぐ、スペースを守る守備ではなくて、人を守る。そういうことを以前、甲府の選手に聞いていたけど、まさしくその通りだった。

1点目はサイドチェンジしてから宇賀神(友弥)選手のクロスだったけど、宇賀神選手に対してのマークが甘かった。マークというか詰めが甘かった。宇賀神選手も良いボールを上げたけど、プレッシャーはなかった。甲府としてはあそこを上げさせても中で守るスタンスだけど、武藤(雄樹)選手もしっかり合わせた。相手のウイークポイントを突いた攻撃だったし、良いボールを上げたところで勝負はあった。

RP:2点目もサイド攻撃、今度は高木俊幸選手のクロスから李忠成選手のゴールでした。

都築:2点目は宇賀神選手からのスルーパスで裏を取れたし、高木選手から良いボールが出た。李選手はああいうボレーが得意だし、形としては最高の形だった。

RP:甲府戦にしては珍しく、と言ってはなんですが、2点をリードした状態で後半を迎えました。

都築:後半はじっくり守るというか、レッズにとっては非常に楽な展開だった。前がかりになってこないチームに2点をリードするのは非常に楽。何にせよ非常に勝つことが大事で、雰囲気的には引き分けると最悪になる可能性があるけど、しっかり勝って良かった。何というか、あんまり見ている方としては面白くない(笑)。でも、そういうチームだと分かって戦うのはプレッシャーがある。

RP:今までの甲府戦と比べると比較的、楽な試合展開でしたね。
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都築龍太 -profile-
1978年4月18日生まれ。
2003年にガンバ大阪から浦和レッズへ加入。2010年に湘南ベルマーレへ期限付き移籍後、現役を引退。日本代表としても6試合に出場した。

(c)REDS PRESS