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ツヅキック(都築龍太の試合分析)

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柏木陽介のポジションがバロメーター(2nd第3節・仙台戦)

浦和レッズで活躍された元日本代表GK都築龍太さんが試合を解説。聞き手は、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』の菊地正典記者です。


RP:7月13日(水)にユアテックスタジアム仙台で行われた明治安田生命J1セカンドステージ第3節・ベガルタ仙台戦は、1-0で浦和レッズが勝利を収めました。後半アディショナルタイムにゴールが決まる、劇的な勝利でしたね。

都築:流れとしては、前半は仙台の方がポゼッションは高かったかなと。特に、中盤まではうまく回されていたと思う。最後のフィニッシュは個人の力で来ていたので、そこまで怖いことはなかったけど、前半の終わりぐらいまでは仙台の方がペースを握っていて、レッズの方が長いボールを使っていた。仙台がうまく戦っていたと思う。レッズもだんだんボールを回せるようになってきたけど、後ろでのつなぎが多かった。

RP:前線になかなか良いボールを供給できませんでしたね。

都築:前の動き出しがなかったのか、中盤の動き出しがなかったのか。下げるシーンが多かったし、それぐらい仙台の方が、うまく守っていたかな、というのもあるけど、それでもしっかりつないで、ボールを保持できていたのかなと思う。いつもそうだけど、今回、特に思ったのは、西川(周作)選手がいるとビルドアップでかなり質が高い。GKがあそこまでできるのは、かなりの質だと思う。よくあるのは、レッズの試合の後に、ほかのチームの試合を見ると、下げてGKがつなげば楽なのにと思う(笑)。

もちろん、彼だけではできないし、周りが動き出すからできる。ずっとそうだけど、見ているとリスクを掛けるというか、長いボールでつなごうとした時、ミハイロ ペトロヴィッチ監督はGKじゃなくて、周りに動けと言っているんじゃないかな? GKが持った時に周りが動き出さないから出せないんだ、と言っているように見える。あそこで保持できると、勝っている場面の、時間の使い方とかプラスになる。こないだは仙台のポゼッションが高かった時に、GKを使って後ろでつないでリズムを作れた。やっぱり質が高いと思う。

それから、柏木(陽介)選手の位置が低い時と高い時でやりたいサッカーが出ているか出ていないかが大きく変わってくる。柏木選手が下がりすぎずに中盤でもらってつないでいく時は良い形だし、下がりすぎて受けると前からプレッシャーが掛かっているんだなって。そこを見るとレッズが良い回しをできているかどうかが分かる。

RP:仙台戦は柏木選手がしっかりボールを受けながら攻撃のリズムを作っていました。
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都築龍太 -profile-
1978年4月18日生まれ。
2003年にガンバ大阪から浦和レッズへ加入。2010年に湘南ベルマーレへ期限付き移籍後、現役を引退。日本代表としても6試合に出場した。

(c)REDS PRESS