ミラーゲームと言われるが全く違う(1st第16節・広島戦)
浦和レッズで活躍された元日本代表GK都築龍太さんが試合を解説。聞き手は、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』の菊地正典記者です。
RP:6月18日(土)、エディオンスタジアム広島で行われた明治安田生命J1ファーストステージ第16節・サンフレッチェ広島戦は、2-4で浦和レッズが敗れました。リーグ戦5試合勝利なし、3連敗です。
都築:何とも言えないですね……。残念としか言いようがない、結果を見ると。2-4だったけど、もちろん、そこまでは差はないし、2点に関しては完全にミスから。勝たないといけないというプレッシャーの中で前がかりになり、かなりオープンな展開になったのは仕方ないけど、それにしても1点負けている時も同点の時もそうだけど、攻め方を考えないといけない。
RP:「攻め方」ですか?
都築:攻めに行くにしても、最低限、後ろのバランスは守っておかないといけない。悪い時というか、今まで最終節から3試合ぐらいに崩れた時もそうだった。気持ちは分かるけど、後ろの人数はそろえて攻めないと。(ガンバ大阪戦[0●1]は出場停止だった)森脇(良太)選手が入り、前半から攻撃の厚みは確実に増した。前半は運動量も多く、攻めの形がしっかり取れていたので、逆にもったいない。しっかり崩せるチームだからこそ、焦る必要はないと思う。結局、後半には疲れがかなり出る時間帯がある中で、自分たちが良い状況じゃないと、時間をうまく使えないというか、今までの流れ、パターンが出せないというか。全体的にバランスが崩れている。
RP:今回は柏木陽介選手と李忠成選手がベンチスタートになりました。
都築:駒井(善成)選手がボランチ。前半の攻撃に関しては良かったけど、うまく行っていない時に普段やっていない選手だと、バランスを取るのが難しい。それは駒井選手に限らず。でも、得点シーンに関しては、特に2点目の宇賀神(友弥)選手の得点は素晴らしかった。
宇賀神選手が(シュートを)打ったけど、おそらく森脇選手のパスは「シュートを打て」というものではなかった。あそこで宇賀神選手がクイックして2人目、3人目が動き出す、レッズのサッカーが浸透しているからこそ、宇賀神選手のマークが薄くなった。あれはレッズじゃなかったら、もっと人が来ていたと思う。そうなるとシュートは難しいけど、あそこで宇賀神選手の選択肢が1つじゃないのがレッズの強み。シュートもあるし、クイックしてゴール前に入る形もある。
1点目も関根(貴大)選手が諦めずに追いかけたのもそうだし、あそこはクリアしない限り、DFの処理は難しい。そこをしっかり狙っていたし、そういう意図のパスも出せていた。前半は良かったと思う。
RP:そのままの流れで行ければ、と思いましたが……。
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都築龍太 -profile-
1978年4月18日生まれ。
2003年にガンバ大阪から浦和レッズへ加入。2010年に湘南ベルマーレへ期限付き移籍後、現役を引退。日本代表としても6試合に出場した。