今季で一番レッズらしくないサッカーだった(1st第10節・G大阪戦)
浦和レッズで活躍された元日本代表GK都築龍太さんが試合を解説。聞き手は、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』の菊地正典記者です。
RP:6月15日(水)、吹田スタジアムで行われた明治安田生命J1ファーストステージ第10節(延期試合)・ガンバ大阪戦は、0-1で浦和レッズが敗れました。
都築:厳しい試合でしたね。メンバーを代えて戦ったけど、チャンスをもらった選手が目立たないような、もっと言うと悪いところになってしまった、という感じかな。流れとしては最初からレッズも勝ちたいという意識がすごく見えて、前半は特に前から行っている中で、空回りしたというか。前から行くのは気持ちを見せる意味も含めて良いことだと思うけど、それが悪い方向に出てしまった。特に失点シーンは前に行きすぎ、後ろの陣形のバランスは最悪だった。
RP:8分と早い時間帯にカウンターから簡単に失点を喫しました。
都築:一対一の局面になるのは仕方がないとして、なった後の対応も、アデミウソン選手がドリブルで来ている中で宇佐美(貴史)選手をマークする選手がいなかった。アデミウソン選手との一対一は仕方がないけど、少なくとも宇佐美選手には付けたはず。極論だけど、阿部(勇樹)選手は一対一でやれる選手だから、阿部選手がコースを切って対応しながら、加賀(健一)選手があそこに行かずに一歩引いて宇佐美選手を見られるポジションを取れれば良かった。
ただ、それは極端すぎる例で、守備の守り方としたら、あの対応は合っている。1人が人に行ったらもう1人が挟みに行く。でも、逆サイドに付いていけなかったのは、特に前半の最初だから余計に残念。後半にバテて失点をするのは2、3年前にはよくあったけど、今回もそういうシーンが何回かあった。攻撃的に行くのは分かるけど、前に行きすぎて守備のバランスが悪かった。失点シーンは槙野(智章)選手がシュートを打って、相手ボールになってからパスは2本じゃないかな? それで得点まで持っていかれた。
RP:ああいう失点の仕方は今季はあまり多くはなかったですよね。
都築:前に出ているんだけど、守備のバランスを取ってから攻めることが、今まではできていた。攻めながら守備のバランスを取れていると言った方が、レッズの場合は正しいのかな? 勝っている時はそれが方程式になっているから、それがちょっと崩れちゃったと思う。
RP:チャンスをもらった選手が悪いところになってしまった、という話でしたが……。
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都築龍太 -profile-
1978年4月18日生まれ。
2003年にガンバ大阪から浦和レッズへ加入。2010年に湘南ベルマーレへ期限付き移籍後、現役を引退。日本代表としても6試合に出場した。