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ツヅキック(都築龍太の試合分析)

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3失点目、西川周作の反応が遅れた理由(ACL R16-2・ソウル戦)

浦和レッズで活躍された元日本代表GK都築龍太さんが試合を解説。聞き手は、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』の菊地正典記者です。


RP:5月25日(水)、ソウルワールドカップスタジアム(韓国)で行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16第2戦は、90分間を戦ってFCソウルに0-1。延長戦の30分間も2-2で決着せず、PK戦スコア6-7で浦和レッズが敗れました。一度ならず二度も「勝った」と思うような展開でしたが……。

都築:残念な結果だった。失点した場面以外は戦う姿勢が見え、攻守とも、非常に良かったとは思う。形も作れていたし、体を張って守れていた。ただ、レッズとしてはやりにくかったと思う。中盤で組み立てて展開できる内容ではなくて、中盤を飛ばして展開しないといけないことが多かった。相手のプレッシャーの速さとか、レッズは嫌だったと思う。中盤で崩して相手を置き去りにして数的優位になって攻めるような、いつも通りのサッカーはできなかった。

しかし、得点シーンは素晴らしかったと思う。特に1点目は、相手の人数が足りている中で動き出し、かなり揺さぶった。槙野(智章)選手がクロスを入れて、駒井(善成)選手はファーサイドをよく見ていた。あそこは良かった。

RP:得点シーンは良い形でしたね。

都築:あの時間帯は、相手もバランスを崩して攻めていたから。FCソウルとしては難しかったと思うけど、そこをよく突いた。得点シーンは良かった。ほかにも惜しいシーンもあったし、レッズらしい崩しもあった。アウェイのプレッシャーの中、粘り強く戦えたと思う。

RP:一方で延長を含めて3失点を喫しました。

都築:まず 1失点目は、レッズがあのサッカーをやっている限りは、常にあのリスクを持って戦わないといけない。ビルドアップのつなぎは一番リスクがある。いろんなやり方があったと思う。遠藤(航)選手もあそこでつながなくて、いいわけだから。リスクの高いつなぎをしたため、「何で、もっと簡単にやらないんだ」という声もあるけど、あのリスクを承知の上でのサッカーをやっている。だから、遠藤選手だけを責められないし、あのリスクがあるからこそ得点も取れる。

ああいう失点は去年もあったし、ミハイロ ペトロヴィッチ監督が就任した直後は、たくさんあったと思う。それだけリスクを冒して攻めようという中で、ああいうことが起こってもおかしくない。ディフェンスラインからのビルドアップの中で想定しないといけないし、見ている側も認識しておかないと「何やってんだ」となる。特にサポーターはそういうことを分かった上で見ないと。確かに失点をしないためには、ほかにやり方はあった。でもレッズだからこそ、あのリスクはある。それより3失点目が問題だった。

RP:延長後半の終了間際、ラインが下がりすぎた状態での失点でした。
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都築龍太 -profile-
1978年4月18日生まれ。
2003年にガンバ大阪から浦和レッズへ加入。2010年に湘南ベルマーレへ期限付き移籍後、現役を引退。日本代表としても6試合に出場した。

(c)REDS PRESS