槙野智章の体と頭を使った守備(ACL R16-1・ソウル戦)
浦和レッズで活躍された元日本代表GK都築龍太さんが試合を解説。聞き手は、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』の菊地正典記者です。
RP:5月18日(水)に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16第1戦は、浦和レッズがFCソウルに1-0で勝利を収めました。見事な勝利でしたね。
都築:勝利はアドバンテージになるため、すごく良い試合だったと思う。お互いが相手に合わせるサッカーをしなかったから、自分たちの色がよく出た試合だったと思う。ただ、相手は攻撃的なところもあったんだけど、しっかり守れるという大前提での攻撃的なスタイル。強いチームだと思う。レッズもそれに対して、ある程度戦えたんじゃないかな。フィジカルが試される一対一の局面も含めて粘り強く戦えたと感じる。
RP:全体的な流れはいかがでしたか?
都築:流れとしては真ん中プラス右サイドの攻撃が多かった。右サイドは良かったと言えるけど、左サイドは全く使えていなかった。宇賀神(友弥)選手のあの1本以外はほとんど右サイドから展開だった。良い攻撃から崩す場面もあったし、関根(貴大)選手は自分でも行けるけど、人を使って自分がクロスを上げやすい体勢に持っていくことができる。ただ、右サイドからの攻撃が多すぎたからか、運動量が多すぎて交代したけど、あそこが機能していたのはすごく良かった。
右が機能していたから左から攻めなかったのか、相手の右サイドの守備が良かったのか、何とも言えないようなサイドの使い方だった。右サイドだけじゃなくて真ん中を何とか崩して、興梠(慎三)選手の最初のミドルシュートとかもあったし、攻撃のバエリエーションとしては今までやってきたことが、できていた。特に、韓国や中国のチームとの対戦でそこに持っていくためには、あの相手にレッズのサッカーをやるためには、一対一、球際で負けたないとかが大前提になってくる。プラス、相手と接触しないようにボールを回していくパターンもあるけど、今回は一対一でしっかり戦えた上で、攻撃につながるビルドアップだったと思う。なかなか縦に当てられないシーンもあったけど、トータルで見て、バランス的には中を固めてきたから右サイドを使えたのもある。
RP:FCソウルも強いチームでした。
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都築龍太 -profile-
1978年4月18日生まれ。
2003年にガンバ大阪から浦和レッズへ加入。2010年に湘南ベルマーレへ期限付き移籍後、現役を引退。日本代表としても6試合に出場した。