結果オーライだが、守備時に課題があった(1st第11節・大宮戦)
浦和レッズで活躍された元日本代表GK都築龍太さんが試合を解説。聞き手は、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』の菊地正典記者です。
RP:5月8日(日)にNACK5スタジアム大宮で行われた明治安田生命J1ファーストステージ第11節・大宮アルディージャ戦、「さいたまダービー」は1-0で浦和レッズが勝利を収めました。
都築:見に行った人が良い試合だったと思える内容だった。昔みたいな、闘争心をむき出しする「ダービーの醍醐味(だいごみ)」のようなものはなかったけど、プレーではそういうところが、すごく見えた。言い方が正しいか分からないけど、はっきり言って実力はレッズの方が上。実際に後半の大宮のシュートはゼロ。前半は大宮のカウンターでゴール前のシーンじゃないけど、ここまで行ったら危ないなっていうギリギリの攻撃は受けていた。ただ、ボール支配率もそうだし、試合を通してのピンチも少なく、トータルでいうと実力差あった。
でも、大宮の戦う姿勢とかが見に来た人は良かったなあと思えるようにゲームが締まった。そういう意味では良いダービーだった。大宮は一番良い状態だったと思う。結果もそうだしコンディションもそうだし、その中で100パーセントのプレー。でも、レッズはレッズらしくかわしたというか勝ち切った。
RP:なかなか自分たちのプレーができなかった印象ですが、都築さんから見ていかがでしたか?
都築:レッズも100パーセント良かったわけではない。攻撃の形を出して崩せたわけではないし、前半はサイドの攻撃がなかった。左サイドで行こうとしたら奥井(諒)選手がしっかり粘り強くつぶしていたし、大宮が集中していた。大宮にとって唯一、残念なのはミスが重なって失点をしたこと。試合として得点は少なかったけど良い試合だった。
レッズも決定的なのは2、3本かな? それも崩したというよりも、こじ開けたという感じ。大宮も攻めに入った時に家長(昭博)選手を中心に危険な匂いはしたけど、守備陣、特に遠藤(航)がしっかり抑えていた。最後のところで冷静に対応していたな、というのはある。選手1人ひとりの能力を含め、レッズの方が良かった。
RP:左サイドの攻撃に関しては、ミハイロ ペトロヴィッチ監督も試合後の会見で不満を漏らしていました。
都築:そうでしょうね。うまく行っていなかったと思う。監督が思っていた試合はできなかったと思う。でも、勝ち切ったのはデカい。表現が難しいけど、レッズらしく勝ったというよりも、勝負強さが出た。相手の方がモチベーションは高かったと思う。でも、レッズも球際で槙野(智章)選手もそうだし、気持ちが入っていた。そういうところは今までのレッズでは、なかなか見られなかったところ。
ペトロヴィッチ監督のコメントでなるほどと思ったのは、「今までは勝たないといけないプレッシャーが大きくて大事な試合に勝てなかったけど、今は勝って当たり前で挑めているから選手たちが自分が持っている力を出せている」というニュアンスのコメント。まさにその通り。自信があるんだなって、みんなが。そういうサッカーをしている。細かいミスもあるけど、そこはみんなでカバーするというのがあった。
1つ気になったことは、・・・・・・
会員登録は
こちら
都築龍太 -profile-
1978年4月18日生まれ。
2003年にガンバ大阪から浦和レッズへ加入。2010年に湘南ベルマーレへ期限付き移籍後、現役を引退。日本代表としても6試合に出場した。