LADIES STYLE
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女子サッカーを支える指導者たち
テレビや新聞で女子サッカーの話題が取り上げられる機会は、ここ数年間で一気に増えた。これも2008年に中国・北京で開催されたオリンピック効果と言えるだろう。この時、なでしこジャパン(日本女子代表)は準決勝へ進出し、4位に。世界の頂点に近い存在として、多くの視線が集まるようになった。
月日は流れ、今年9月。“リトルなでしこ”の愛称で注目されたU-17日本女子代表はトリニダード・トバゴで開催されたFIFA U-17女子ワールドカップに出場し、決勝の舞台に立った。決勝の相手は韓国女子代表。6分に先制された日本は苦戦しながらも、57分に浦和レッズJrユースレディースから招集されたFW加藤千佳が得点し、3対2と逆転に成功。だが、79分に同点にされ、延長戦でも決着つかず、PK戦の末に敗れた。
それでも準優勝は、過去最高の成績である。リトルなでしこの帰国には日本サッカー協会の小倉純二会長が出迎えるほど、今大会の成績は日本女子サッカー界の未来を明るくする素晴らしいものだった。今後は“リトル”ではなく、なでしこジャパン入りする者も出てくるだろう。
女子サッカー界は間違いなく、日本サッカー界の中でも重要な役割を担っていく。その中で、選手育成など好成績を残していく上でのポイントを、私たちはまだまだ紹介しきれていない。『指導者』というキーワードも、その一つだ。今回のLADIES STYLEでは、なでしこジャパンの佐々木則夫監督、浦和レッズレディースの村松浩監督、そしてU-17日本女子代表を率いた吉田弘監督にスポットを当てていく。
まず、佐々木監督と村松監督には共通点がある。二人は、男子サッカーから女子サッカーへとカテゴリーを広げている。男子サッカーではトップチームからアカデミーまで幅広く指導にあたり、現場に立つだけではなく、その経験を活かし、指導者を束ねる強化・育成部長、アカデミーセンター長を務めてきた。
そして“再び現場へ”となった時、彼らが選択したのは女子サッカーという新しいカテゴリーだった。佐々木監督は日本のトップとして、村松監督は代表を支えるクラブチームのトップとして、それぞれ女子サッカーの強化に携わることになる。選手にとっても彼らの指導は新鮮だった。将来指導者を目指す浦和レッズレディースのDF矢野喬子は「(村松監督の)二手、三手先を読む指導は刺激になる」と話した。
佐々木監督も村松監督も、就任時に「現状では女子サッカーチームの指導者に就こうと手を挙げる者は少ない。なぜ、女子サッカーだからと言って敬遠するのかが分からない。女子サッカーはまだまだ強くなる。女子サッカーの魅力が何かを伝えていきたい」と口にしていた。発展途上であるからこそ、二人は大いなる希望を胸に女子サッカー界に飛び込んだのだ。“好奇心旺盛”これは二人の共通項と言える。
一方、吉田弘監督は、指導者として女子のカテゴリーで長く生きてきた。現役時代はフォワードとして古河電工でプレー。二度の得点王に輝き、現役時代の彼を知る者は「得点のツボを抑えていた選手」と評する。静岡県出身で、自身のサッカー哲学をもった指導者だ。
男子でも女子でも、年代別代表世代には将来のサッカー界全体を支える逸材が数多くプレーしている。この年代で指導する内容は日本に限らず、世界各国で重要視されている。この夏、日本サッカー協会に新設された女子部で現在部長を務めている中村修三氏は吉田監督の指導法についてこう語る。
「この年代は、チームの結果よりも育成にポイントを置いている。吉田監督は必要以上の指導はしない。選手へベースとなる技術や戦術を伝え、選手自身が試合の中で次に大事になるものを感じて欲しいという考えをもっている。その中で選手の考える力は着実に育っているだろう」と触れた。
各年代で、各カテゴリーで、同じサッカーとはいえ、伝えるべき事柄はそれぞれにある。社会でもあてはまるが、言われたことをこなす者は多くても、自分で考えて先へと進む、状況に応じて工夫をこらせる者は少ない。選手がピッチに立ったとき、必要とされるのは高い技術と体力、そして戦術眼と言われている。U-17日本女子代表選手たちは吉田監督の指導を通じ、この戦術眼を磨いたはずだ。そしてトップチームへ昇格したとき、佐々木監督、村松監督のもとで勝利にこだわるサッカーを身につければ、世界の頂点も見えてくるだろう。
(書き手/有賀久子)
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