FIFAクラブワールドカップ後の変化を大きく感じたのは、先制点の場面だ。

8分、GK西川周作のキックから、相手ボールになるも、すぐさま、右の石原広教と安居海渡がはさみ、自陣で安居がボールを奪取。前向きな状態で金子拓郎にたくすと、金子はドリブルで相手を引きつけた。引きつけたところで、マテウスサヴィオに預け、自身は深い位置にボールを要求。ダイレクトでゴール前に“シュータリング”を送り、GKがこぼした球を小森飛絢が押しこんだ。

まず、最終ラインでボールをまわしながら、西川のキックで一気に自陣ゴールから離したところで、相手のトラップミスも重なるが、マイボールに出来たことが大きかった。ここで単にクリアではなく、欲しかった“攻撃に繋がるクリア”を安居が見せた。このプレーが入ることで、西川のキック力がより効果的になる。

さらに、この日の得点は2場面とも小森だが、影のMVPは金子拓郎だ。

CWC後、パフォーマンスが絶好調である。1対1の突破、サイドをつく動き、さらに外から中にボールを動かし、自分のステージを作ることも出来ている。クロスにドリブル、そしてシュートと、金子から得点を狙う意識がビシビシと感じる。

金子がドリブルを選択し、運ぶ時間を作ったことでク?スタフソンも上がり、大外の左の松尾佑介も準備が出来ていた。もちろん、サヴィオの立ち位置も、球離れも良く、攻撃のスイッチを入れる役目を果たした。

対戦相手による影響は大きいが、流れの中から得点を決められたのは、残り13試合とリーグ終盤に入っていく時期の良い成功体験となっただろう。

もう1点、マチェイスコルシ?ャ監督が最初に動いた73分、ピッチに送り出したのは松本泰志と早川隼平だった。これまでの型通りに見える交代ではなく、早川をファーストチョイスとした部分に意味を持たせたい。ライン間でボールを受けることが得意な早川の、80分の金子へ送ったミドルパスは効果的だった。

停滞ではなく、変化を感じられた横浜FC戦。試合の締め方に課題はあったが、アウェイゲームで勝って次に繋げられたことが収穫となった。90分間、負けないためのサッカーではなく、勝つためのサッカーを表現することが、次も、その次も出来れば。自然とプレーの基準が高まり、再現性ある攻撃の形を築き上げられるのではないか。

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