2023年大会以来の天皇杯。初戦のラウンド16は、土砂降りの中、モンテディオ山形と対戦した。アウェイゲームは61分、金子拓郎で同点に追いつくと、続く40分、小森飛絢が追加点をあげ、2対1で逆転勝利を果たした。
薄氷の一勝だった。
序盤、山形の両ウイングに翻弄され、10分に失点。ペースを握られた。
それでも浦和は14分、マテウス サヴィオ、27分、チアゴ サンタナのヘッドで決定機を作ったが、地の利を生かした山形の小気味良いパスワークに圧倒された。
それもそのはず、山形は勢いに乗りつつあった。天皇杯3回戦(7月16日)のガンバ大阪戦では4対4の打ち合いの末、PK戦で勝ち上がった。スタッド・ランスとの親善試合(7月27日)では1対0の完封勝利をおさめると、続くJ2リーグ第24節(8月2日)アウェイ・ヴァンフォーレ甲府戦では3対1で勝利した。
6月下旬に就任した横内昭展監督による守備の改善がみられるようになった。そして迎えた天皇杯ラウンド16。山形は確かな手ごたえをもって臨んでいた。
その山形を後目に浦和イレブンは存外、冷静だった。決勝点をアシストした安居は「(前半)攻撃はそれなりに出来たので、あとは決めるだけでした。失点を1で抑えられたことが良かったです」と淡々と答えた。
あわや失点と思われた74分、ハンドの判定で取り消しとなって救われたが、察するに、PK戦を見越した上で最終的に勝てば良いという考えだったと言える。
印象的だったのは、スコルジャ監督が会見で、金子、小森のゴールに触れた際に出た「決意」という言葉。決める決意。守りきる決意。そして、出番が少ないチアゴ、原口、今シーズン初出場の早川の、何か残してやるぞ、という決意。特に原口は良質なクロスを供給。存在感を示した。そうした決意の集合体が、今シーズン苦手とするアウェイでの逆転勝利に繋がった。
山形戦を皮切りに、浦和は次の中2日の横浜FCを経て、名古屋、柏、天皇杯準々決勝を挟んで、新潟、川崎とのルヴァンカップ、ホーム&アウェイの準々決勝と連戦が待っている。各タイトルがかかった、この1ヶ月。決意と覚悟が試される夏となる。
(書き手:ライター佐藤亮太)
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天皇杯ラウンド16・山形戦=ポイント
(有賀久子)

浦和の夏・決意の夏
2023年大会以来の天皇杯。初戦のラウンド16は、土砂降りの中、モンテディオ山形と対戦した。アウェイゲームは61分、金子拓郎で同点に追いつくと、続く40分、小森飛絢が追加点をあげ、2対1で逆転勝利を果たした。
薄氷の一勝だった。
序盤、山形の両ウイングに翻弄され、10分に失点。ペースを握られた。
それでも浦和は14分、マテウス サヴィオ、27分、チアゴ サンタナのヘッドで決定機を作ったが、地の利を生かした山形の小気味良いパスワークに圧倒された。
それもそのはず、山形は勢いに乗りつつあった。天皇杯3回戦(7月16日)のガンバ大阪戦では4対4の打ち合いの末、PK戦で勝ち上がった。スタッド・ランスとの親善試合(7月27日)では1対0の完封勝利をおさめると、続くJ2リーグ第24節(8月2日)アウェイ・ヴァンフォーレ甲府戦では3対1で勝利した。
6月下旬に就任した横内昭展監督による守備の改善がみられるようになった。そして迎えた天皇杯ラウンド16。山形は確かな手ごたえをもって臨んでいた。
その山形を後目に浦和イレブンは存外、冷静だった。決勝点をアシストした安居は「(前半)攻撃はそれなりに出来たので、あとは決めるだけでした。失点を1で抑えられたことが良かったです」と淡々と答えた。
あわや失点と思われた74分、ハンドの判定で取り消しとなって救われたが、察するに、PK戦を見越した上で最終的に勝てば良いという考えだったと言える。
印象的だったのは、スコルジャ監督が会見で、金子、小森のゴールに触れた際に出た「決意」という言葉。決める決意。守りきる決意。そして、出番が少ないチアゴ、原口、今シーズン初出場の早川の、何か残してやるぞ、という決意。特に原口は良質なクロスを供給。存在感を示した。そうした決意の集合体が、今シーズン苦手とするアウェイでの逆転勝利に繋がった。
山形戦を皮切りに、浦和は次の中2日の横浜FCを経て、名古屋、柏、天皇杯準々決勝を挟んで、新潟、川崎とのルヴァンカップ、ホーム&アウェイの準々決勝と連戦が待っている。各タイトルがかかった、この1ヶ月。決意と覚悟が試される夏となる。
(書き手:ライター佐藤亮太)
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