back
試合レポート|J1第9節・福岡戦=ポイント|レッズプレス!!
top
J1第9節・福岡戦=ポイント
(有賀久子)

福岡戦で不具合に感じた点は
前節の清水エスパルス戦では石原広教が、今節のアビスパ福岡戦では長沼洋一が、共にサイドバックで選手変更があり、その役割は、しっかりと果たした。だが、0対1の敗戦と結果が伴わなかっただけに、試合後の長沼からは、チームを勝たせることが出来なかった責任感と、自身が試合に先発出場し続けるために目に見える結果が出せなかったことへの悔しさが感じられた。
“チャンスだったんですけどねぇ”という言葉に、今回の先発出場を勝負と捉えていた長沼の思いが集約されていた。
勝つために、アビスパ福岡から、どのように得点を奪うのか。前・後半と序盤は、“こんな風に前進したいんだな”という攻撃の狙いが感じられた。そして、チャンスもあった。
福岡・金明輝監督が、こう振り返る。「いつもの浦和さんみたいに、しっかりとショートパスよりも、背後ばかり狙っていった。狙いが外れた、というより、相手が、我々のプレスを嫌がって、という表現の方が正しいと思う。あそこまでロングボールを飛ばしてくるのは想定していなかった」。
浦和の意図がどうであれ、背後にボールを入れる姿勢に効果はあった。
15分、右サイドバックの石原広教が高い位置を取り、ラインの背後に浮き球を出す。石原の得意のパスだ。相手の寄せが早く、チアゴ サンタナは体勢を崩しながら、シュートまで持ちこんだ。
17分の攻撃は、長沼洋一から自陣でパスを受けた渡邊凌磨が、後ろ向きでボールをもらいながらも、前方にパスを繋ぐことを選択した場面から始まった。パス自体は、相手の守備の網に引っかかったが、相手も松尾佑介の圧を受け、少し慌てるように同サイドにパス。そこを長沼が狙い、奪取。マイボールにして、松尾にあて、松尾が長沼の上がりを見て、ポンとスペースに浮き球を出し、長沼から最後はチアゴのシュートに繋げた。
ただ、福岡・金監督は「時間の経過と共に、選手たちが判断して、十分にうまく前進できる部分、浦和さんに規制されない部分を作れた」と、ピッチ内の順応性を評価。左右立ち位置を入れ替えたり、かける人数を変えるなど対応を見せ、だんだんと福岡のキープレーヤーである紺野和也の攻守への影響が色濃くなっていった。
浦和は、福岡の対応を上回る、攻撃の次の一手が見えにくかった。特に押しこんだ時に。反対に、福岡の前進に対して、いなすことが出来ず、守勢にまわり、セットプレーを与え、失点。76分、83分とメンバーを代えるが、逆転にむけた攻撃の迫力を見せられずに終わった。それどころか、86分には、VARでノーゴール判定となったが、福岡に、ゴールに近い位置からのFKでゴールネットを揺らされた。
相手が変化した時、安定を保つことが優先順位であるが、次は、どこでバランスを崩して前進するのかが求められる。石原は「もっと落ち着いてやれば、はがせたと思う」と話した。それをピッチ内で解決するか、選手交代で違いを見せるのかはベンチワークであり、出てくる選手の評価に直結するところ。福岡戦では、そこに不具合があった。
要因は、外から変化を与える時間が遅かったのか、配置なのか、キャラクターなのか。中で感じた肌感覚から、今後のヒントを得たい。それを渡邊凌磨であったり、松尾佑介が感じているように思う。相手の変化に対するプラン変更、どこを攻撃の糸口とするのかを共有する必要がある。
・・・・・・
★
ログイン・会員登録はコチラからすべての記事をご覧いただくには、会員登録が必要です。
※既に会員登録済みの場合、ログインを行うことで閲覧可能となります。