「練習レポート」は、大原サッカー場の模様を、ほぼ毎日更新するコーナーです
現地時間の6月16日(月)午後、FIFAクラブワールドカップ2025のグループステージ初戦、CAリーベル・プレート[アルゼンチン]戦にむけて、シアトルにあるルーメン・フィールドで公式会見が行われ、マチェイ スコルシ?ャ監督が登壇した。
Q:自身2度目のクラブワールドカップとなるが、大会への想いは
A:そうですね。2年前のジェッダ大会に続き、2度目の舞台になります。再び世界最高峰のクラブが集まる舞台に立てることに、とても興奮しています。あの時と同じ結果を出すのは簡単ではありませんが、楽観的に捉えています。
順位など、大会での具体的な目標を語るつもりはありませんが、自分たちの力を発揮したいと思っています。チームとしての質や連携、スピリット、組織化されたチームを見せたいと思います。
そして、相手の異なるスタイルに素早く適応することが非常に重要だと考えています。私たちは、自分たちがこの大会の優勝候補ではないということを理解しています。ですが、何が起こるか分からないのがサッカーです。前回大会でも、初戦の相手は、当時の私たちよりもランキングが上のチームでした。
Q:関根選手の話では、かなり1戦目にフォーカスしてきたということだった。分析や準備をするほど、ピッチ上で感じた、強度や間合いなどのズレを解決していくことが求められると思うが
A:そうです。私がチームに伝えたのは「初戦だけに集中してくれ」ということです。選手たちには、他の相手や、先のことは気にせず、明日の対戦相手にだけ意識を向けてほしいと話しました。なので、相手が「危険かどうか」といった話をチーム内ですることもしていません。一歩一歩、段階を踏んで進んでいくのが良いやり方だと思っています。まずは初戦に集中して、出来る限り良い仕事をすること。それが出来た後に、次のことを考えれば良いのです。
明日の試合に関して言えば、我々が望むような展開に持ちこめるかどうかが鍵になります。相手の攻撃力は高いですが、それに対して自分たちのスタイルを出せるかどうかです。リーベルはとても攻撃的なチームで、時に守備がリスクを伴うこともあります。そこを突ければと思っています。
Q:Jリーグのシーズン中に大会が行われることはアドバンテージになるか
A:これはアドバンテージとは言えませんが、難しいのは、グループ内の2チームが、今大会前に監督交代を行っていることです。新しい監督たちがどんなアイデアを持ってくるかにも注目していますが、私たちにとって最も大切なのは、Jリーグのトップチームと戦って得た良い状態を維持することです。
シーズン序盤は苦戦しましたが、その後の2ヶ月間は非常に良いパフォーマンスを見せられました。自分でも驚くくらいの手応えを感じています。最後の横浜FC戦は、非常に強度の高い、良い試合でした。その流れを保つことが目標です。
前回の試合から数日空いていますが、その間にリズムを崩していないことを願っています。リーベルとの試合も、横浜FC戦と似たような展開になるかもしれませんし、そうなれば、我々にも十分にチャンスはあると思っています。
Q:大きな大会の初戦ではセットプレーが特に重要だと思うが
A:ご意見に全く同意します。最初の試合は、本当に重要です。この結果が、我々の勢いや、グループステージ全体に与える影響は大きいと分かっています。次の試合でグループが決まるわけではありませんが、それでもこの一戦で、攻撃も守備も含め、全てをしっかりと組織化することに力を注いでいます。
マスタントゥオーノのような選手を止めるのは、大きなチャレンジになるでしょう。彼らは本当に非常に高い技術を持った選手たちです。Jリーグでは、ああいったタイプの選手と対戦する機会はあまりありません。ですが、私たちの堅い守備には自信がありますし、チーム全体で連携して守る力もあると思っています。明日はまさに、チーム全体でそれを実行しなければなりません。
確実に言えるのは、試合中にはいろいろな局面があるということです。ゾーン1で守らなければならない場面もあるでしょう。ただ、それだけでなく、ラストゾーン(ゾーン3)でボールを保持し、相手ディフェンスラインの裏のスペースを、さまざまな形で攻略していきたいとも考えています。それが非常に重要になるでしょう。
Q:キックオフ時間が昼12時と早いが、その影響はあるか
A:アメリカに到着した初日から、この試合スケジュールに合わせた調整を始めています。正直に言えば、簡単なことではありませんでした。そのため、選手たちには、普段よりも早く寝てもらうよう、時には強制的に促すこともありました。ですが、ここ数日で状況は改善されており、現地でのトレーニングも、この試合時間に適応するために行ってきました。この試合開始時間について、我々にとって問題になることはないと思っていますし、両チームにとって、条件は同じです。あとは試合を迎えるだけです。
Q:1日のスケジュールどのようにしてきたのか、具体的に教えて頂ければ
A:OK、少し説明してみましょう(笑)。たとえば、きょうの例で言うと、選手たちには21時に就寝し、朝6時に起床するように指示しました。
朝食とトレーニングは、6時から8時の間に設定しています。これらは、もちろん、全選手に義務づけられた日課であり、その後は、朝9時頃にミーティングを行います。9時半にはスタジアムに移動し、10時からアクティベーション(試合前の調整練習)を開始します。ホテルに戻ってからは、ミーティングが3回、昼食、18時からの夕食、さらに、その後に試合前の最終ミーティングがあります。
こうして1日のスケジュールを整え、選手たちを自然に就寝へ導いています。
すぐに適応できる選手もいれば、普通より長い時間をかけて適応する選手もいましたが、
全体的には、今の状況は良いと思います。
Q:監督からもマスタントゥオーノの名前が出たが、彼への対策は
A:まず第一に、スペースをどう管理するか考えなければなりません。一般的に、能力の高い相手に対しては、そうします。ファイナルサードでの機動力があるので、どのゾーンでもコンパクトに保たなければいけません。ミドルプレス、ローディフェンス、特にペナルティボックスでのコントロールが非常に重要になります。マスタントゥオーノだけでなく、ストライカーやNo.8もセカンドラインからペナルティボックスにタイミング良く入ってきます。これ以上の詳細は、話せません。
今回のFIFAクラブワールドカップは、国別のワールドカップ同様に、ベースキャンプ地からの移動となり、日本時間の朝、クラブ公式SNSは移動に臨む選手たちの映像をとらえ、『to Seattle.』と伝えた。
浦和は第1戦、第2戦と共にルーメン・フィールドで開催される。選手たちは、ピッチコンディションを確かめた。
この点については、西川周作はオンライン取材の中で「(他試合の映像で)スタジアムの雰囲気や芝生の状態を見たりしていました」とボタフォゴとシアトル・サウンダーズの一戦に触れ、原口元気は「(大原サッカー場や埼玉スタジアムに)似ているのであれば、僕らはもうそれに慣れていますし、似ていないのであれば、試合中にうまく合わせていかなければいけないと思います」と判断と対応が求められることを挙げていた。
どんな感想を抱いたのか、それは選手コメントでお伝えする。
(CWC取材:サッカー専門紙『ELGOLAZO』浦和レッズ担当ライター 沖永雄一郎)
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