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練習レポート

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中断期間に練習試合を実施〜マティアス監督、アビスパ福岡戦にむけて

「練習レポート」は、大原サッカー場の模様を、ほぼ毎日更新するコーナーです



(有賀久子)




中断期間に練習試合を実施〜マティアス監督、アビスパ福岡戦にむけて

ー4試合を受けて、分析して、中断期間に取り組むべきだと感じたこと、キャンプなどリーグ戦が始まる前に思っていたことと違った部分はあるか
マティアス)湘南戦を終えて、まず、3連休を与えた。その後、2日間、練習して、土曜日には、非公開の練習試合を行った。そこで45分間、3本プレーした。そして今週は、明日を含め、5日間で次の試合に向けて準備をしている。
もちろん、今までプレーした試合も分析し、最後にプレーした試合では、立ち上がりの20分間、最後の40分間は、非常に良かった。得点も4点取ることができた。そして4対4の時に、3つの決定機を作ることもできた。
ただ、前半20分で繋ぐことをやめてしまったことと、立て続けに2失点してしまったというところはよくなかった。そして、この練習の中でも、攻撃のところを、さらに発展させるべく進めてきたが、1月にスタートした時と今とでは、決まる得点の数も変わってきている。非常に良い姿勢でやっているす。
また、プレスのところと1対1の守備のところも練習した。通常のマイクロサイクルの中では、11対11のゲームもプレーする。そして、先週と今週の、そのような紅白戦のレベルが非常に高かった。我々が来た当初と比べると、非常に良くなっていて、チームが前進しているという風に感じている。

ー全体的にメンバーを大きく代えていないという言い方ができる。ゴールキーパーからミッドフィルダーまでは特にそうだと思うが、この期間の練習をやってみて、福岡戦やその次のFC東京戦で起用してみたいと思わせた選手はいたか?
マティアス)皆さんもご存知のように、何人かの怪我人がいる。(前田)直輝も良い状態になってきて、安定してきている。トモ(大久保智明)も練習に復帰してコンディションが上がってきている。松尾(佑介)はこの前の試合、途中から入って素晴らしい後半だったと思う。彼も、少し痛めたところがあるが、もう練習には戻る。また、チアゴ(サンタナ)と(興梠)慎三も、フィジカル的に上がってきている。土曜日の練習試合では、2人とも点を決めていた。
中盤での競争も、非常に激しいものがあるが、その中で(岩尾)憲も非常に良くなってきている。アンカーとしても、インサイドハーフとしても、彼は良いパフォーマンスを見せてくれている。代表に行っていた選手もいる。サミュエル(グスタフソン)はスウェーデン代表で66分の試合と、20分の試合でプレーした。Uー23日本代表で(大畑)歩夢が85分プレーしたが、彼にとって非常に良かった。(早川)隼平も、ほぼフルゲームをプレーしたということで、彼にとっても良かった。

ー公開練習の日に、マティアス監督が不在だったが、マティアスさん自身は大丈夫?
マティアス)その時、ちょっと喉を痛めていて、感染症だったら、選手たちにうつしたくないということで、その日は、家で安静にしていた。

ー福岡は4バックや5バックなど可変的な守備をしてくるが、印象はどうか?どういうプレーが有効か?
マティアス)相手チームに合わせてプレーする戦術的なチームだと思う。ダイレクトに前線にボールを繋ぐチームだが、特にウェリントンのところにロングボールが入る。ダイレクトなプレーで、できるだけ多くの回数、相手チームのペナルティーエリア内に入っていこうとするチーム。そして、もちろん、セカンドボールのところが大事になる。

ーホームでの初勝利を狙っていきたいし、浦和を愛する人々も待っていると思うが、いかが?
マティアス)もちろん、ホームで勝ちたいと思うし、ホームは全勝したい。それと同時に、良いサッカーもお見せしたい。前回のヴェルディ戦では、あまり多くのチャンスを作れなかったので、そこから前進している姿も見せたい。

ー湘南ベルマーレ戦では前半20分までに良い形が作れたが、良い形をより長くするためにどういうことが必要だと考えているか?
マティアス)我々はローディンフェンスが得意なチームからハイプレスをかけるチームに変わろうとしている途中だ。それには選手たちの姿勢もフィジカル的なコンディションも戦術的な理解も必要になってきている。そして選手たちは90分を通じて、高い強度でプレーすることに慣れていかないといけない。ベルマーレ戦では、そういうアグレッシブな、良いプレーを立ち上がりで見せたが、途中で、あまり繋がらなくなり、ハイプレスにも行かなくなった時間帯があった。土曜日の練習試合では、90分近く、安定して、そういう高い強度のプレーができたと思う。ベルマーレ戦では、合わせて60分ぐらいだったのを、次の公式戦で、さらに伸ばしていきたい。

ーマティアス監督が思う、良いトレーニング、良い試合の定義を教えてもらいたい。抽象的だが、我々が判断していく時にも、こういうトレーニングが良いトレーニングで、こういう試合が良い試合ということを、監督の考えで聞かせてもらいたい。
マティアス)そうですね。良いというのは、包括的な評価なので、もう少し、細かいお話をしたい。まず、前節の試合を見ますと、立ち上がりの20分間は、我々がやろうとしているプレーが出ていた。ゲームを、ボールを握りながらコントロールし、攻撃に行くタイミングをうかがうことができていた。高いところで位置を取って、守備の時もアグレッシブに前線からプレスをかけた。その時間帯では、選手間の距離感も非常に良かったと思う。その後は我慢できず、間違った判断を下すというような場面があった。プレスのところの安定性も欠けていた。良い時間帯と悪い時間帯での具体的な話を、少しした。良い練習というのは、たとえば、紅白戦を行う日が、一番強度が保ちにくい日になる。11対11のゲームの中で、いかに強度の高い、質の高い時間を長くプレーできるかというところが重要になってくる。全体的な話をしてきたが、この質問のおかげで、私も、少し詳細をお伝えすることができたので、ありがとうございます。

ー良いトレーニングができた。良い試合ができた。できたけれども、結果が伴わなかった。その逆もあると思う。良い試合ではないけれど、結果が伴った。こういうことは経験がたくさんあると思うが、そういう時に、次のトレーニングや試合に臨むのか?
マティアス)試合が終わったら、それを分析し、改善点を出す。その改善点をもちろん、トレーニングするが、同時に、自分たちの攻撃の原理のところもやり続ける。そういうことを行っているので、選手にとっても、指導者にとっても、何が良くて何が良くなかったかというところは、みんなが理解できている。おっしゃった通り、よくない内容で勝つこともあれば、非常に良い内容で負けることがあるのもサッカー。しかし、長期的に見ますと、安定して自分たちのプレーを出すことができれば、負け試合より、勝ち試合のほうが多くなると思うので、そのことを念頭にトレーニングもしている。

ー戦術練習に入る前に、パワー系というか、チューブを引っ張って走るようなメニューをしているが、それは目指すサッカーをするために必要で、チームに足りないと感じていることなのか?
マティアス)まず、1週間を通じて、練習の中でできるだけ多くのスプリントをしてもらいたいと思っている。ですので、チューブを使ったトレーニングを冒頭で行うこともあれば、ロンドの間に、スプリントを入れることもある。我々のサッカーは、フィジカル的な要求が高いもの。ですので、日々の練習でも、選手たちには限界を突破してもらいたいと思っている。

ー限界を突破という言葉などが出たので関連して聞きたいのだが、フロー理論の話、コンフォートゾーンから出なければいけないというような心理学の話をされたことがあるが、フィジカル的、メンタル的な限界を超えていく、苦しい時でも闘えるようにすることをかなり重視していると思うが、サッカーに対する思考であったり、自分の常識を変えてみるとか、そういった考え方のところへのコンフォートゾーンから出るということへのアプローチは、どのように行っているのか?
マティアス)たとえば、彼らにとって新たな戦術なので、そこで考え方を変えなければいけないという部分もあったと思うが、よく順応してくれている。そのようなチャレンジもあったし、選手個々にも、練習で強度を上げるというチャレンジがある。そのためには体力もつけないといけない。体力がつけば、さらに強度も上がるという、良い循環になると思う。そして個としても集団としても、そこに成長の余地が残っていると思う。


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