back

練習レポート

top
マティアス監督、初の埼スタで5万5千人に会える?サポーターに誓ったことは〜東京ヴェルディ戦にむけて

「練習レポート」は、大原サッカー場の模様を、ほぼ毎日更新するコーナーです



(有賀久子)


マティアス・ヘグモ監督、初の埼スタで5万5千人に会える?サポーターに誓ったことは〜東京ヴェルディ戦にむけて


ーサンフレッチェ広島戦の後半にむけて、もう少し、後ろから細かく繋いで進んでいくように、という指示があったと聞く。広島はハイプレスが強いチームであるとスカウティングされていたかと思うが、なぜ、どちらかというと、相手の強みが出るような戦略をとろうと思ったのか
マティアス)前半は、かなりうまくいっていた部分があったと思う。後半に入ってからも、よりボールを握って、押しこんで、相手陣内でプレーするということを試みたが、立ち上がりではうまくいかなかった。
ロングもショートも、両方やろうとした中での指示だった。そこは、これからもチームの中で発展させていきたいところ。相手がハイプレスをかけるからといって、ロングのみでプレーしてしまってはいけない。その中でもショートをトライしながら、相手にとって予測しにくいプレーをしたいと思っている。

ーリーグ戦を勝つには、どういうことが大切だと考えるか
マティアス)安定性だと思う。毎試合、安定して、攻撃的なプレー、チャンスメイク、そういった強いプレーを発揮し続けることが大事だ。そして守備のところでも、バランス良く、しっかりと前に出ながら守備ができるようにしないといけないが、結局は、練習で強度をしっかりと上げることによって、試合でそれを発揮し続けるという状態を作っておくことが必要だ。我々の練習は、初日から強度を上げるよう、要求している。練習の文化というものを根付かすことができれば、試合でも、高いレベルのものを発揮することができる。

ー今のところのチームへの満足度は?
マティアス)この前の試合後にも言ったが、何人かの選手たちは、怪我などで、少し合流が遅れたり、外れていたりしたことがあったので、その選手たちが順応する時間というのが必要だと思う。90分間、高い強度を出し続けるというレベルを発揮するのにもまた、少し時間は必要だ。でも、広島のような良いチームに対して、チャンスを8回、この前、作ることができた。そして、ポゼッション率も57%だったので、それをまた、次の発展のベースにしていきたいと思う。

ーソルバッケンが怪我で起用できない中で、右に前田直輝選手を起用すると思ったら、広島戦は松尾選手と関根選手だった。前田選手をベンチにまわした理由を聞かせて頂けますか?
マティアス)前田選手は沖縄キャンプから非常に順調で、周りとの関係性も良かったと思う。スタメンに非常に近いところにいたが、松尾のスピードを見たいと、その時は思って、起用した。前田選手はベンチから入って、ピッチに立てば、違いを見せられるだろうと思っていたが、それが出来たと思う。日曜日に彼がスタートする可能性がある。

ー国立競技場に試合を観に来ていたが、自分の目で確認したいタイプなのか?
マティアス)私は出来るだけ、生で観戦したいと思っている。選手を観察することも出来るし、そのテンポを直接感じることも出来る。初めてのシーズンだというところで、Jリーグのチームの試合を観たいと思って、行ったところもある。監督として、自分もこのリーグを学んで、さらに成長したいと思いながら行った。

ーヴェルディの印象と、国立競技場の雰囲気をどう感じたか
マティアス)5万5千人、スタジアムに観客が入るというのは、日本が誇りに思っても良い事実だと思う。ヴェルディは、非常にまとまったチームだ。

ー公開練習は常にハード。試合まで、どのようなプロセスを踏むのか。回復させる時間帯もあるのか
マティアス)非常に良い観察だと思う。本日、選手たちのミーティングで、チクセントミハイのフローモデル、日本では、ゾーンモデルとも言われている話をしたが、これは高いレベルでプレーしたいならば、強度を上げないといけない、という話だ。賢く要求しながら、強度を上げていきたいと思う。この前は、ハードなトレーニングをしたあと、少し翌日に疲れが残っていたので、そこで負荷を調節した。守備の得意なチームから、より攻撃的なチームにするため、そのスタイルを変えていく中で、スプリントの本数など、そういったものも、自ずと増えていく。そこの強度は上げていかないと思うけれども、バランスをとりながらいきたいと思っている。選手たちも、それを受け入れて、その方向に向かおうとしている。本日の練習も、非常に高い強度が出ていたと思う。

ーピッチで練習が始まる前、室内で全員で準備する狙いは
マティアス)個人で、アクティベーションするというところは、従来通り、やってもらっているが、確実に練習をスタートできるように、チームとして、一部確保しているところだ。練習の強度を上げたいならば、ストレングス、筋トレなども必要だし、筋肉の準備をするところも必要だと思う。そうすることによって、怪我の予防にも繋がる。

ーストロングなレッズになることに期待する
マティアス)埼玉スタジアムのチケットの売れ行きが、今のところ、5万1千枚近くだということを聞いて、5万人を超えれば、11年ぶりだという話も聞いている。そしてファン・サポーターの方々、たくさんに来てもらって、彼らにアグレッシブなサッカーをお見せしたいと思っている。

ー監督の指示と選手の判断。松尾選手と関根選手が、試合の中で左右、入れ替えていた。ある程度、試合の中で、設計の中での判断というところは容認しているのか
マティアス)松尾の得意なサイドが、左だということは、私も分かっています。でも、タカ(関根貴大)も、同じように左が得意です。他の選手たちとの関係性のところもある中で、ゲームプランに沿っていれば、ウイング同士がサイドを入れ替わるというのは、私にとっては、戦術的にもうまくいくことがあると思っています。だけど、それができるのは、もしかしたらウイング同士のみかもしれません。

ー理想は、ウイングがチャンスメイクのためになるべく高い位置でワイドで仕掛ける、ゴールに絡むというところだと思うが、うまくいかない時に立ち位置を変えてビルドアップに参加する。監督の枠の中で可能なのか、高い位置で我慢してもらいたいのか。
マティアス)私は出来るだけ、ウイングには高いポジションをとってもらいたいと思っている。そうすることによって、裏に抜けることもできるし、相手を押し下げさせることによって、インサイドハーフのスペースを作ることも同時にできる。彼らは、今までのプレーでは、足もとでボールをもらうということが多かったと思うが、この高いポジションをとるのは、私が、新たにやらせようとしていることだ。スペースにむかって走るという、そういったプレーを増やしたい。松尾、タカ、オラもそうだし、トモ(大久保智明)も戻ってくれば、そして(前田)直輝もいるが、それぞれ違った特長を持っているが、裏に抜け出すプレーでチームに良い影響をもたらすことができると思う。

ーウイングがボールを触れない時でも、我慢して、そこで仕掛けられるようにしてくれ、というところが要求するところか。
マティアス)もちろん、高い位置で張っているというのがベースになるが、そこからスッとおりてきて、もらったり、少し内側に入って受けたりするという、そういったディテールは、もちろん、今後の練習の中でもやっていきたいと思っている。ウイングがおりてきて、インサイドハーフが裏に抜けるという、その同時の動きがあれば、おりてきても構わないと思う。裏に抜ける選手が変わった場合、ウイングがおりてくることができるというところですけれど、裏に抜ける動きは、必ずあった方が良いと思う。

ーマティアス監督が考える、伸びる選手、成長する選手の共通点は何だと思うか
マティアス)堀内陽太と話をした。能力のある若い選手に共通するものを、あなたにも感じています、と彼に言った。良いスキル、良い動き、そして周りをしっかりと見る視野、からの最初の動き、さらに次の動きに繋げることができるし、サッカーを愛し、情熱を持ってプレーするというものも持っている。自分を成長させる、発展させるというところに、彼は集中しているし、毎日が良い日ではないということも理解している。きょうは(早川)隼平と話をしたが、マルティン・ウーデゴーア(アーセナル)の話をした。彼のことを15歳の頃から知っているが、ブレイクするまで5、6年かかった。レアル・マドリーのBチームに最初、彼はいたが、それで批判されたし、オランダに行った時も間違っていると言われていた。でも、彼はその期間中、ずっと、自分を成長させることに集中できていたし、どうすれば、自分が発展できるのかということに対する好奇心も持っていた。そこが大事だと思う。

ー広島戦が終わって時間が経って、改めて前節で良かった点、課題である点、課題の修正のために今週取り組んだことは?
マティアス)このゲームで発生した最初の3つの決定機は、我々のものだった。それは良かったと思いますし、立ち上がりから、自分たちのサッカーをプレーしようとした。ハーフタイム直前の失点で、1対0になったのは非常に不運だった。それが心理面に影響を与えたと思う。後半の立ち上がりは、あまり良くなかったと思う。繋ぐという部分とロングでプレーする部分の判断で、ロングがもう少しあっても良かったのかな、という部分はある。そして試合の終盤のところでは、もう少し最後まで安定性を保って、もう少し運が味方をすれば、2、3点とれていてもおかしくなかった。ラストサードのところでの、選手の関係性のところの練習はしてきたし、そこでの鋭さを増したい。時間帯によっては、オープンな展開になってしまったので、守備のところでは、しっかりと状況を見ながら守ることができればと思う。そして、よりタイトな守備ができれば、それがロングカウンターやショートカウンターに繋がっていくと思う。いずれにしても、攻撃にしても守備にしても、選手たち同士の関係性の部分だ。

ーヴェルディの印象を「まとまったチーム」と表現していたが、具体的に。言える範囲で、ヴェルディ戦への準備は?
マティアス)ヴェルディの方ですか?冗談です(笑)。4ー4ー2で、非常にまとまっていて、2トップからプレスが始まり、場合によっては、センターバックが前に出て、守備をするということもあった。このようなチームに対して、裏に抜けるランニングがあると、非常に効果的だと思う。また、ピッチのあらゆるところで、2対1の状況を作ることができればと思う。

ーソルバッケン選手、大久保選手の状況と、どのぐらいの時期にベンチに入っていけるか
マティアス)オラに関しては、全体の練習に復帰して、試合にむかって準備をし始めたけれど、きのう、ちょっと練習の中で打撲があって、きょうは別だった。あした、状態を見てみないといけない。ベンチに入る可能性はある。トモも、練習に復帰して、少し足首の症状を訴えていたが、来週からは、フルで練習ができると思う。2人とも来週からは、フルでメニューをこなすことができると思うし、オラの場合は、日曜日の試合に入る可能性はある。

ー初めて埼スタで指揮を執るが、気持ちは
マティアス)広島戦でも、5、6千人の、浦和サポーターの方々を見たが、この試合では、もしかしたら、5万5千人ぐらいのサポーターに会えるかもしれない。非常に楽しみにしている。プレミアリーグと比較しても、トップクラスのクオリティーがあるサポーターだと思っている。良い攻撃的なサッカーをお届けしたい。彼らが楽しめるものにしたい。そして、恐れないでトライをする選手たちの姿をお見せできればと思う。

 ・・・・・・


ログイン・会員登録はコチラから
すべての記事をご覧いただくには、会員登録が必要です。
※既に会員登録済みの場合、ログインを行うことで閲覧可能となります。



(c)REDS PRESS