(佐藤亮太)
NACK5スタジアム大宮にて3年ぶりとなる『さいたまサッカーフェスタ2022』が開催された。
浦和レッズ・大宮アルディージャ両クラブのOB選手が参加するこのイベント。
走ってはいけないルールの「ウォーキングサッカー」では『大宮vs浦和ドリームマッチ』が行われ、浦和のトップチームからGK牲川歩見とMF松崎快が参加。子どもたちと一緒にサッカーを楽しんだ。
ほかにも『障がい者サッカー体験会』『キッズサッカー教室』が行われるなか、目玉は両クラブのOB選手による『OBスペシャルマッチ』。
前後半20分のこのゲーム。
キックオフ直前、円陣が解かれ、ゴール前に都築龍太が立てば、左サイドバックには三上卓哉。センターバックに西野努。ボランチ・堀之内聖。右サイド・西澤代志也、トップ下に千島徹と現役時代と同じポジションに自然と立ち位置におさまっていく。
さらに選手個々のボールの受け方、出し方、そのクセを見るだけで懐かしく、スタジアムに響く指示の声や内容、タイミングさえ心地いい。
長く浦和を見続けるサポーターには味わい深い。
OBマッチは華試合だが、ライバルチームとあって、否応なくヒートアップしていく。
前半4分、浦和・岩瀬健が決定機を見せるも大宮GK加藤順大がビックセーブ。
12分、西野努がゴール前で決死のスライディングを見せた。
14分には浦和ミスからカウンターを受け、ゴール前まで迫られるがシュートは枠外。
攻勢を仕掛ける大宮に浦和は防戦一方。
17分、18分とGK都築龍太が3回連続セーブでピンチを防いだものの、18分、クロスから大宮・斉藤雅人にダイレクトボレーを決められ、失点。1−0で折り返した。
後半に入ると、盛田剛平がワントップに。得点への機運が高まるも押されっぱなしの浦和。
10分、ベンチで戦況を見つめた土田尚史が業を煮やし、選手に集合をかけ、緊急作戦会議を敢行。
「最後はアルディージャに勝てばいいんだから」と叱咤しピッチに送り出すも、その直後の11分、リスタートから失点。12分にもカウンターから失点し3点差となった。
OBマッチとはいえ「さいたまダービー」。このままでは浦和に帰れない!!
この絶望的な状況を変えたのは西澤代志也だった。
15分、17分に立て続けにゴール。18分に決定機を作ったが、ゴール前で足がもつれ不発。
万事休すと思いきや、終了間際の22分、混戦から千島徹が押し込んで同点に追いついた。
時間的には終了のホイッスルが鳴るところだが、どちらかが決めるまで終われない謎ルール適用により、エンドレスゲームへ突入した。
そのなか27分、浦和、PKのチャンス。
逆転勝利をキッカー盛田に託すもなんと失敗。大宮GKを起点としたカウンターが決められ、失点。
試合は4−3で大宮OBチームが勝利をおさめた。
※
ゲームを通じ「つなぐ浦和」「堅守速攻の大宮」とそれぞれカラーが出ていた。
またきょうのメンバーを見る限り、千島、堀之内、三上、そして03年加入の小林宏之など、ハンス・オフト監督時代に若手だった選手が多かったためか、オフトサッカーの残り香があった。
試合後のセレモニーでは引退した選手たちへの花束贈呈が行われた。
そのひとりが浦和・大宮両クラブに在籍し、前後半それぞれのチームでプレーしたGK加藤順大。
2015年、浦和から大宮に加入した加藤。当時は禁断の移籍と呼ばれたが、この加藤の存在がイベントの意義深さを物語る。
加藤は「(浦和在籍時)ここNACK5スタジアムでプロデビューして、きょう引退の花束をみんなの前でもらえて嬉しかった。きょうでひと区切りつけられた。浦和・大宮に所属できたことはとても光栄なこと。どっちも好きなクラブ。恵まれた状況でプレーさせてもらったのは大きかった。さいたま市にある浦和と大宮はJリーグを盛り上げるためには欠かせない存在。どっちのチームで出られたのは面白かった。(両チームに在籍した選手は)まだまだ少ないと思うので常に呼んでもらえるようにしたい」と抱負を語った。
なお、きょうのイベントには両クラブのマスコットが登場。
姿を現すと雨が降る「雨男」でおなじみのレディア。
天候はおおむね曇りだったが、イベント中、雨に降られなかったのは幸いだった。
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