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鈴木啓太ヒストリー|2007 ACLを戦った男たち〜鈴木啓太〜(「REDSPRESS EYES」より)|レッズプレス!!

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2007 ACLを戦った男たち〜鈴木啓太〜(「REDSPRESS EYES」より)

2007年11月14日、埼玉スタジアム2002で行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦・セパハン戦。永井雄一郎、阿部勇樹のゴールで2−0と勝利を収め、現行のACLとなってからは、Jリーグ勢で初めてアジア制覇を成し遂げた。

その記念すべき優勝セレモニーで、負傷で欠場した当時のキャプテン・山田暢久に代わって5万9034人の大観衆の前でトロフィーを掲げたのが鈴木啓太だった。

当時、日本代表にも選出されていた鈴木は、ACLにもボランチとして12試合全てに出場。相手の攻撃の芽を摘み取り、時には鋭いパスで攻撃の起点となり、チームの勝利に貢献した。

長谷部誠、小野伸二、田中マルクス闘莉王、ワシントン、ポンテなど、豪華で個性が光るメンバーがそろった当時のチームを鈴木は「ある程度完成されたチームだった。このチームでは勝たなければいけないという感じで戦っていた。見ていて楽しいとか、そういうのは抜きにして、強さというのはあった。チャンピオンになるために戦っていた印象だった」と表現した。それほど当時のチームは自信に満ちあふれていたのだろう。

今回ACLに挑戦するチームは、2007年当時とはメンバーは大幅に替わっている。当時のメンバーでチームに残っているのは鈴木のほか、山岸範宏、加藤順大、阿部勇樹、坪井慶介、平川忠亮、山田暢久だけとなった。

しかし、今季のチームにも当時のメンバーに勝るとも劣らないメンバーがそろっている。シーズンオフに豪華な補強を行ったチームでは、シーズン開幕を前にして選手の口からタイトルという言葉も聞こえる程だ。サポーターもタイトル獲得を期待していることだろう。

当然、選手にはプレッシャーが掛かっているはずだ。だが、鈴木は「前回のACLの方がプレッシャーはあった」と振り返る。その理由を「今回はJリーグのチャンピオンとして出場するわけではない。自分たちは追いかける存在だからそこまでプレッシャーを感じる必要はない」と話した。重ねて「個人的に楽しんでやりたいし、見ている人も楽しいサッカーを見たいと思っているはず。プレッシャーを感じて良いこともあると思うけれど、今はそれ以上に楽しみたいと思っている」と2007年当時からの心境の変化を語った。

2007年当時とポジションもプレースタイルも大きく変わっていない鈴木だが、メンタル面では大きな変化があった。

そして、楽しむことに必要なものを「結果」と挙げた。「結果が出ていなければ楽しめない」のだ。では、ACLで結果を出すために大事なこととは何なのだろうか。鈴木は「力を入れ過ぎないこと。気負い過ぎないことが大事。ホーム、アウェイの感覚は日本とはだいぶ違うものがある」と話した。

しかし、分かっていても大舞台では自然と力が入ってしまうものだ。試合前、試合中を通して気合が空回りしないように、鈴木がチームのバランスをとってくれることを期待したい。

鈴木は現在のチームのサッカーについて「どっちのサッカーがどうとかは言えないけれど、今のサッカーには魅力がある」と口にした。このことが楽しみたいという気持ちを生んだのだろう。さらに「今のサッカーには可能性がある。可能性がなければやっていないし、やる意味もない」と自信ものぞかせた。

それは昨季、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の下で31試合に出場して得た手応えであり、30歳を超えても新たなサッカー観を得ることができたことへの喜びのようにも感じられた。

トレーニングを見ている限り、鈴木は今回のACLにも主力として出場するはずだ。チームの中心として、再び浦和レッズをアジアの頂点に導くことができるのか。

いよいよ来週2013年2月26日(火)、浦和レッズはACLグループステージ・広州恒大戦を迎える。浦和レッズの、そして鈴木啓太の3回目のアジア挑戦がスタートする。(友醐竜哉)


浦和の男・鈴木啓太掲示板


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