「REDSインタビュー」はトップチームやレディースチームを中心に、選手や監督、スタッフ、関係者などを深掘りし、その言葉を届けるコーナーである。
今回は、2024シーズンのユースチームで監督を務めた平川忠亮さんにお話を伺った。4回にわたり、お届けする。来シーズン、ユースチームは高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグに復帰し、平川さん自身は、いよいよ浦和レッズを離れ、J3で、Jリーグ監督の第一歩を踏む。
2025年、それぞれの道に
RP:多くの選手が大学に進学します。彼らの今後には、どんな風に期待しますか?
平川:今年1年がそうだったように、これから先も、苦しい場面が多くあるでしょう。でも、そこから逃げずに戦う。今年を見ても、逃げずに戦った結果、最後、どうでしたか?と考えた時に、それが必ず、喜びやハッピーエンドに繋がるわけじゃないかもしれないけど、それを乗り越えていくことでしか成長はないし、去年のプレーオフでの挑戦で、復帰を目の前で逃して、あの悔しさから成長できたチームだったと思います。
逃げずに取り組む、それが成長に繋がる、結果がついてくる。これから、選手たちが成長したいのであれば、夢、目標を叶えたいのであれば、苦難や困難から逃げずに立ち向かっていってもらいたい。これから良いことばかりじゃないよという風に伝えられたら。今年も、そうだったし。なかなか難しいシーズンだったんでね。
また、選手がこの先、どこへ行っても、浦和レッズのエンブレムを着けて戦ったという事実は残ります。誇りだったり、背負う責任だったり、「君たちが、このエンブレムを着けている限りは、浦和レッズの選手、トップチームの選手と同じだよ」ということは伝えていて。そういった誇りを持って、これからも忘れずに戦ってもらいたい。また、いずれ、このクラブに帰ってくるんだという気持ちも持ってもらいたいですね。今の3年生に関しては、この先の未来で、照内(利和)ともう1度、一緒にプレーするっていうところも、目標か何かにしてくれたら良いなと思います。
もちろん、サッカーをやめる選手も出てくると思います。それは決して悪いことじゃないし、新たな夢、目標が決まれば、みんなで応援したいなと思うし、ただ、こう目標を夢に向かって、一生懸命頑張ってもらいたいなというところぐらいですかね。
RP:これからいろいろなストーリーが出てくるでしょう。
平川:いろいろな夢があっていいし、いろいろな目標があって良いんです。ただ、どんな目標や夢を叶えるのも簡単じゃないっていうところは、どの道も一緒だと思うんで。実際、3年生の中には、途中で1人、辞めているんですけど、頭が賢くて、勉強で進みたいということで進路を変えました。彼も1度、一緒に戦ったメンバーです。彼の夢、目標が変わったことは決して悪いことじゃないし、苦しんでまで、サッカーを続けなきゃいけないというわけでもないので、新たな夢や目標が見つかれば、そこに全力で向かって下さいというメッセージを送りたいです。
RP:トップチームに昇格する照内利和には、どんな言葉を送りますか?
平川:照内には、これからだよ、ってところですね。1つの目標が叶ったかもしれないけれど、100%スタートはこれからだし、プロとして、何も始まっていない。プロは、厳しい世界で、全く試合に出られないこともある。1年間で1分も公式戦に出られないかもしれない。それでも、そこで何ができるのか、ピッチ内、ピッチ外を含めても、100%サッカーに集中していく生活が待っている中で、アカデミーで学んだことも生かしながら、日常に、何かしらのヒントが転がっているはずなので、頑張ってもらいたいですね。期待はしているし、試合に出てくれたら嬉しいなというところはあるので、そういった期待を背負いながら、また浦和レッズの責任を背負いながら、プレーしてもらいたいと思います。
RP:平川さんも新たなチャレンジが待っています。FC琉球OKINAWAで、Jリーグの監督に就任です。いよいよ、というか、とうとうの気持ちが強いのですが、「さようなら」をしなければいけない時が来ました。
平川:いつか、いつかとは思っていましたけど。自分は、あまり寂しさはないですね。出てきたくないよ、という感情よりは、新たなチャレンジなので。選手の時は、こういうビッグチームでプレーし続けることが良いと思っていたし、キャリアの後半、試合に出られなくなっても、最後、ここで終われたらという思いがあり、チームのために動いていました。ここでキャリアを終えられた幸せを感じていますが、反面、指導者になってからは、ここしか知らないということが弱みだと感じる時期もありました。レッズへ、何かしらの恩返しをしながら、どこかでチャレンジできたら、と常に思っていました。そのタイミングが来たなというところで、迷いはなかったです。こういったチャレンジする機会を与えてくれたFC琉球OKINAWAさんに感謝しなきゃいけないし、また必ず、ここに戻ってくるという思いを持ちながら、ただ、まず今は、FC琉球OKINAWAで結果を残して、チームをJ2に上げることを目標に、さらにJ1昇格まで持っていけたら最高です。全力で、何か達成できたら良いなと思います。
RP:最後に、平川忠亮サポーターにひと言。
平川:まずは、感謝したいです。長い間、サポートして頂きました。常に応援してくれて、どんな時でも支えてくれました。まずは感謝したい。ありがとうございます。また、さらにチャレンジしていくというところを、背中も押してもらいたいなと思います。行ってこい、やってこい、と、おそらく、みんなが、そう思ってくれていると思いますが、これからチームは変わりますが、FC琉球OKINAWAのことも応援してくれたら嬉しいです。カテゴリーが違うんでね、J1は浦和レッズ、J3はFC琉球って、こう応援してもらいながら、気に掛けてもらえたらなというのは思います。関東にも、J3のチームがありますから、やって来ることもありますし、その時、恥ずかしくないように、きちっと何かしらを持たらせるようにやっていきたいなと思います。是非是非、引き続き、とお願いしたいです。これで終わりにならないように、応援し続けて頂けたら嬉しいなと思っております。
(聞き手:レッズプレス!!ライター有賀久子)
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