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[REDSインタビュー]ノースカロライナ・カレッジMF長野風花選手「もっと世界で戦える選手になりたい」

「REDSインタビュー」は、トップチームやレディース選手、監督、スタッフ、関係者などを深掘りし、その言葉を掲載するコーナー。
今回は、レッズレディースOG(アカデミー出身)のMF長野風花。退団後、韓国へ渡ったり、ちふれASエルフェン埼玉やマイナビ仙台レディースでプレーし、この夏より、渡米した。
池田太監督のもと、なでしこジャパンにも招集され、期待も大きい。
今、長野が思う事は何か。話を聞いた。


(佐藤亮太)

RP:昨季、WEリーグのマイナビ仙台レディースに在籍し、非常に伸びしろのあるチームの中心選手として2年目のWEリーグでも活躍が見られると思っていましたが、2度目の海外移籍。
今回、アメリカのナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ1部のノースカロライナ・カレッジ(以下:NCカレッジ)の移籍への経緯を教えて頂けますか?
長野:小さい頃から、海外でプレーしたいという気持ちがありました。日本には日本の良さがあることが大前提にありますが、過去にUー20女子ワールドカップや、なでしこジャパンの欧州遠征を経験し、強豪国の選手たちと、ワールドカップやオリンピックの舞台で戦う中で、自分は何も出来ていない、まだまだ足りないことばかりだな、と実感しました。そうした環境に身を置いて、練習から強度の高いレベルでプレーすることが日常になれば、私自身のプレーも変わる、そう考えての移籍の決断でした。

RP:NCカレッジには8月上旬に合流し、同月13日のカンザスシティ・カレント戦で途中出場し、20日シカゴ・レッドスターズ戦では初先発、初ゴールというニュースが日本に届きました。幸先の良いスタートになりましたね。
長野:私自身、あまり得点を決める選手ではないので、ゴールは嬉しいですが……やはり、デビュー戦のカンザスシティ戦のことが思い出されます。同点の場面でピッチに入りましたが、失点して負けてしまい、それが本当に悔しく、ピッチには、何も出来ない自分がいました。
ただ、ここでアメリカのスピード感を生で体感することが出来て、このままじゃダメだな、と思いました。NCカレッジで初めて練習に参加した時、一人ひとりの運動能力が、日本とは全然違いました。今は慣れていく段階ですが、最初は「あ、ヤバい」と感じました。まさに今、新しい体験を重ねている最中です。
プレーで言うと、たとえば、日本ではカウンターを仕掛ける際に、人数が揃っていなかったり、ちょっと今はやり直した方が良いと判断するチームが多いのですが、アメリカでは、ゴールが見えたらGOするというか……推進力をもっていけるというか、速すぎて、味方についていくのも必死です。

RP:少し前に、猶本光選手がドイツ・フライブルクに在籍した当時の話をしてくれました。ミニゲームの際、猶本選手がゴールを打てるシーンで、味方にパスをすることを選択した時、チームメイトから「なぜ、打たない」と言われたそうです。ゴールが見えたら打つ!というのは、ドイツも、アメリカも同じようですね。
長野:しかも、遠くからでも、しっかりと決めてきます。シンプルにシュートのうまさ、パワフルさが違いますね。とにかく、力強さが違います。パワフルで、スピードがあって、うまくて……。プレーしていて、思わず、笑っちゃうことがあるぐらいです。味方のサイドバックの選手が、バーンと前に蹴って、走って、追いついて、クロスをあげたり、それができるの!?と思うことだらけ。驚きを通り越して、笑っちゃいます。また、選手は年齢に関係なく、みんなが自信をもって、サッカーを楽しんで、プレーしています。

RP:現状、ポジションはどこですか?
長野:カンザスシティ戦では4−2−2−2のFWの下の2のところでした。レッドスターズ戦では4−2−3−1の3の真ん中、トップ下の位置でした。個人的には4−2−3−1の方がやりやすいです。

RP:シーズン途中での加入ということは、長野選手は即戦力として期待されての加入と思います。自身のプレーで、周囲を納得させることが重要なことですね。
長野:プロの世界なので、チームを勝たせられる選手になりたいですし、当然、結果を求められる中で、結果を残さなければなりません。そうしたことを意識しながら、私自身、まだまだ成長しなければならない部分、強くならなければならない部分がたくさんあるので、その成長を求めて、アメリカに来ました。勝つために自分がやることをやりつつ、しっかりと慣れて、さらに成長することにフォーカスしたいです。

RP:NCカレッジの環境はいかがですか。
長野:日本と桁違いというか、比べ物になりません。スタジアムの隣に、天然芝が7面あって、そこで練習しています。ユースの選手たちも、同じく天然芝でプレーしています。トレーニングジムにはさまざまな器械がたくさんあって、ザ・アメリカって感じです。素晴らしいリカバリーの施設もあります。環境面は何も言うことはなく、充実しすぎています。アメリカはやはり、スポーツ大国。日本との違いを感じる場面が多いですね。

RP:チームメイトとのコミュニケーションは?
長野:英語はもっと喋れないといけないですが、半分ぐらいは理解することが出来ます。周りの選手からは、名前で『FUKA(ふうか)』と呼ばれています。チームメイトも話しかけてくれますし、優しい人たちばかりで、サッカーに向き合えています。

RP:練習時間や試合時間はどんなスケジュールなのでしょうか?
長野:季節柄、今は暑いので、午前9時からの練習で、1時間半、2時間ぐらいトレーニングをして、お昼を食べて帰る、という感じです。試合開始は、夜7時とか、ですかね。アウェイでは時差があるので、まちまちで、主に飛行機移動です。

RP:サポーターの雰囲気はいかがですか?
長野:サポーターの方の雰囲気も、日本と全然違いますね。もちろん、男性サポーターもいますが、小さい女の子や、女性が多いですね。小さい子たちが、目をキラキラとさせながら、試合を見てくれたり、試合後には「サイン、ちょうだい」って言ってくれたりして、「あぁ、良いなぁ」と感じています。

RP:気候は?
長野:日本と、それほど変わりません。太陽の日差しは、強く感じますね。ただ、湿度がそれほどないのですが、暑いは、暑いです。

RP:U−20女子ワールドカップのコスタリカ大会。前大会のメンバーだった長野選手は、後輩たちの戦いをどのように見ていますか?
長野:(決勝前の取材)準決勝を見ましたが、最後まで諦めない気持ちが、あの劇的な結果に繋がったと思います。とても頼もしく、楽しそうにサッカーをしています。当時を思い出すと、私自身も、楽しみながらチャレンジしていたな、と思います。

RP:池田太監督とは、当時の指揮官であり、現在は、なでしこジャパンを率いて、監督と選手の関係性は変わりませんが、当時と今、何か変化はありますか?
長野:池田監督は、とにかくサッカーが大好きで、選手のことを考えてくれていて、誰よりも、熱い気持ちを持っています。選手と一緒に戦ってくれるところは、今も以前も変わっていません。本当に熱い監督です。

RP:なでしこジャパンの活動を並行しながら、これからのアメリカでの活躍、期待しています。最後に抱負をお願いします。
長野:新しい環境で、さまざまな面でチャレンジをして、日々、成長しながら、よりパワーアップしていきたいと思っています。もっともっと、この世界で戦える選手になりたいです。

RP:きょうはありがとうございました。

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