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[REDSインタビュー]柴田華絵「全力でやっていることで、楽しく感じる」

「REDSインタビュー」は、トップチームやレディースの選手、監督、スタッフ、関係者などのインタビューを掲載するコーナー。今回は三菱重工浦和レッズレディースからキャプテン柴田華絵選手に開幕迫るWEリーグへの想いについて、ビデオ通話アプリ「Zoom」を使い、インタビューを行った。


(佐藤亮太)

主将5季目の柴田が語る、これまでとこれから



RP:ここ数年、先発フル出場が多かった柴田選手ですが、昨シーズンの最終節、ホームでのノジマステラ神奈川相模原戦で負傷交代。その後の皇后杯も欠場しました。いつもピッチにいる、ピッチにいることが当たり前だった柴田選手がいないことに違和感を禁じえませんでした。

柴田:数シーズンを振り返っても、数試合、ピッチから離れるということはありませんでした。(ケガの箇所は)右足首でした。そのあと、ねずみ(右足関節内遊離体)の手術をしました。(※12月22日に手術)これまで痛みを我慢していましたが、最終節で接触したときの影響で手術しました。

RP:しばらくチームを離れていた際、柴田選手は、皇后杯をどのような気持ちで見ていましたか?
柴田:ケガをしたものの、はじめは復帰できるかな、という感覚もあったのです。できることをしながら、自分の準備をしていましたが、手術すると決めてからは、割り切って、チームが良い状態で戦えるように、みんなのサポートをしました。

RP:今シーズン、4月下旬から、まもなく開幕するWEリーグにむけたプレシーズンマッチが開幕しました。柴田選手は初戦のマイナビ仙台戦、2戦目のノジマステラ神奈川相模原戦、4戦目のサンフレッチェ広島レジーナ戦に出場しました。手術を経て、久しぶりの試合でしたが、感触はいかがでしたか?
柴田:正直、個人的にも良い感じではありませんでした。あまりゲームをしていない状況で、90分間という時間も久しぶりにやったな、という感じでした。全体的にもコンディションがあげきれていなかったと感じています。本当に良い試合はできませんでした。

RP:昨シーズンのサッカーは攻守で互いを補う、いわば相互補完サッカーでした。今シーズンは、さらなるプラスアルファ。付け加えたものを期待されています。プレシーズンでいくつか試しながら、どこまで形にできたでしょうか?
柴田:プレシーズンマッチの時点では、全くプラスアルファの部分は出せていません。それどころか、昨シーズン、私たちができたことすらも、うまくできていませんでした。開幕にむけて、コンディションをあげることが大事ですし、今までできたことができた上でのプラスアルファだと思います。今、プラスアルファを求めるよりも、今までやってきたことをやらないといけないです。

RP:昨シーズンはリーグ優勝、皇后杯準優勝。追う立場から追いかけられる立場になりました。その点で難しさはあると思いますか?
柴田:当然、昨シーズンの優勝チームという立場。相手はチャレンジャーとして来るでしょう。しかし、私たちは向かうのではなく、常に私たちも相手にむかっていかなければ、と、プレシーズンマッチを戦い、改めて思いました。

RP:プレシーズンマッチを経て、ここまでの間、静岡での合宿もありましたが、チームはどのようなことに取り組みましたか?
柴田:オリンピックの関係で全員揃っての練習がなかなかできませんでした。その分、チームの底上げ、全体を同じレベルにもっていくことを、選手、スタッフも意識していました。あとはプラスアルファというか、監督からありましたが、今までよりもやらないと、絶対に勝てないよ、という意識を持つこと。選手自身では、これまでよりも個人個人の能力も必要ですし、そうしたプレーが必要になると、みんな意識しています。

RP:プラスアルファと言いながらも、おととし、昨シーズンと着実に積み上げたなか、かなりの完成度となっただけに、これ以上、何を足すのだろう?とも感じます。
柴田:今、守備面について意識的にやっています。あとはゴール前にもっと仕掛けること。たとえば、もっとドルブルを仕掛けるとか、その点は少しずつ出ています。

RP:WEリーグが開幕しますが、初戦の相手がいきなり日テレ・東京ヴェルディベレーザというのはいかがでしょうか?
柴田:初戦で対戦することが良いことなのか、悪いことなのかは分かりません。お互いにお互いのことが分かっていない状態でやるので、どうなんでしょうか…不安というよりも、やるしかないでしょ!って感じですね。

RP:この夏、オリンピック東京大会があり、なでしこジャパンとして池田咲紀子選手をはじめ、南萌華選手、塩越柚歩選手、菅澤優衣香選手が選出。大会を経て、チームに合流しました。彼女たちの変化など、感じる点ありましたか?
柴田:プレー面ではそれほど変化はなかったというか…悪い方の変化は感じませんでした。もちろん、練習での全体のレベルは上がりました。あと、大会に行った選手からは「選手村にテレビがなかった」という話を聞いて、「かわいそうだな」と思いました。

RP:代表ということで、ひとつ。以前、森総監督は「柴田選手が代表に選ばれないのはおかしい」と話していました。その点についてはご自身、どう思われますか?
柴田:もちろん選ばれれば、ですが、代表のためというよりも、レッズで1試合1試合やったことが評価されて選ばれると思います。代表のためというよりは、このチームで試合に勝ちたいし、楽しくやりたいです。

RP:今、楽しく、とおっしゃっていましたが、ここ2、3年のチームのキーワードだと思います。試合前の円陣でも笑顔が見えますし、苦しい試合でも、実に楽しそうにやっているように見えます。その楽しさというのが、今のレッズの強さの秘密だと思いますが。
柴田:本当にやっていて楽しいです。場面、場面、ひとつひとつのプレーで、「こんなにうまくいっていいのかな」と思うこともあります。流れるようにチーム全体が動いていく。昨シーズンは特にそうでしたし、やっていて本当に楽しかったです。

RP:その楽しさというのが、時に緩みになりかねません。しかし、そうした緩みが感じられないし、緩みなく続いている。そのことも強さと感じます。
柴田:ん…。「楽しくやろうね」ではなく、やっていることが楽しいね、と思えることですかね。実際、全力でやっていることが結果、楽しく感じる。「楽しくやろうね」と思ってやっているわけじゃないですし。メリハリというか、常に全力でやることが楽しいということだと思います。

RP:そのなか、今シーズンも柴田選手はキャプテンを務めます。以前から聞きたかったのですが、どんなキャプテンだとご自身、思われますか?
柴田:正直、何もしていません(笑)

RP:そうおっしゃいますが、取材している我々からすれば、納得のキャプテンなのです。
柴田:存在感というか、ただ、態度が大きいだけかもしれませんが(笑)

RP:最後に開幕するWEリーグへの意気込みを
柴田:私たち自身が盛り上げられればと思います。私たちは全力で試合をします。1試合、1試合を今まで以上に戦った、その結果でリーグが盛り上げられればと思います。チームとしてはもちろん、優勝を目指してやりたいです。

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