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REDSインタビュー

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特別対談 内舘秀樹×鈴木啓太 その2

「REDSインタビュー」は、浦和レッズの選手や監督、スタッフ、関係者などへのインタビューを掲載するコーナーです。今回は特別企画として、内舘秀樹さんと鈴木啓太さんの対談を全3回で掲載します。ファシリテーターは河野正記者。




「生え抜きとしての責任感を見せてくれた」

河野:
1年目の(鹿児島県)指宿合宿でウッチーとボール回しをしたことが、ここまで栄達した大きな要因だったのかもしれませんね。

鈴木:確かに広瀬(治)さんとか(小野)伸二さんは、ボール回しがとても上手でしたが、加入前から僕も知っている存在でした。だけど、ウチさんのことは知らないがために、こんなにうまい選手でもレギュラーになれないのかと思っていましたからね。J2(第2節)の湘南戦でウチさんが得点したことを鮮明に記憶しています。あの夜、ウチさんの自宅でお食事をさせていただきました。あの湘南戦からウチさんがぐぐっと勢いを持っていったイメージがあります。

河野:啓太君が加入したのはJ2時代の00年。それからたくさんの苦楽をともにしてきましたが、ウッチーの貢献度とは。

鈴木:僕がウチさんを評価するのはどうかと思いますが、あえて言わせていただくと目立つ選手ではありませんでしたが、長い間レッズ一筋でクラブへの忠誠心を持ってやってきたお手本ですよね。クラブにとっては宝物だし、一本筋の通ったウチさんはクラブへのぶれない義理と言うか、それに応えてきました。生え抜きとしての責任感も見せてくれました。フクさん(福田正博)のような派手な象徴ではなく、地味な象徴だと感じています。


河野:ウッチーは喜怒哀楽の感情を極端に表現しなかったね。特に怒ったりする姿を見た記憶はほとんどなかった。

鈴木:そうですね、確かに怒ることは少なかったですね。

内舘:自分はレッズにいた時、うまいと思ったことが、ずっとなかったので楽しければいいかなって。いつクビになるか分からないし、常に楽しくやろうと思っていたから、いつも楽しかったですね。試合に出られなくても腐らなかったのは、サッカーをやれているのだから、それでいいと思っていました。

鈴木:そうだったんですね、それは面白い。

河野:新人の頃の啓太君と言うと、野心家のような鋭い目つきと言動が印象的でした。キャリアを重ねるごとにメディアに対しても自己主張が強かった。

内舘:僕の最初のイメージはそんな風ではなく、明るくて元気で誰にでも自分から入っていくような感じでしたね。最初の指宿のキャンプでもやってやるぞ、という雰囲気ではなく、フレンドリーな感じでどんどんチームに入ってきて早くなじもうという印象でしたね。


鈴木:まあ、中と外では(顔も)違います(笑)

河野:プライベートの付き合いはどうなの。

鈴木:僕が結婚する前に住んでいた(JR)武蔵浦和駅周辺で時々、ご飯を食べたりしました。

河野:同じ趣味は。

鈴木:ないです。僕は趣味がなかったし、ウチさんもないでしょう。

内舘:ないね。

鈴木:僕は最近ですよ、趣味ができたのは。ゴルフとサーフィン。


河野:ウッチーがすぐ後ろにいてストッパーをやっていた時の印象は。

鈴木:僕がコースを限定し、相手にわざと縦パスを入れさせると必ずパスカットを狙ってくれていました。すっと入って長い脚が伸びる。ウチさんとツボ(坪井慶介)でストッパーをやっていた時は、常々速いコンビだなと思っていました。

河野:では啓太君がアンカーを担っていた時の感想は。

内舘:相手をつぶしてくれるので楽でしたね。だからこぼれ球を素早く拾うことが多かった。

河野:浦和が強豪へ到達する過程、強豪にのし上がった時の達者な守備力が目に焼き付いています。

鈴木:堅かったですよ。でも質を考えたら、もっと良質のサッカーができていたのかなとも思います。

内舘:できたと思う。攻撃はカウンターばかりだったから、もう少しパスサッカーをやっても良かったのかなというのはあります。

河野:あの当時、今のペトロヴィッチ監督が指揮を執っていたら、質の高い内容で優勝できたのでは。

鈴木:でも半分くらいの選手は、試合に出ていないんじゃないですか(笑)

内舘:ホント、出てないかもしれないね(笑)


河野:ともに浦和で長くプレーし、啓太君のあのプレーは半端でなかったという試合を挙げてください。

内舘:PK戦で決着した(07年)アジア・チャンピオンズリーグの城南との準決勝第2戦です。僕はベンチから見ていたのですが、あの試合はしびれた。両チームとも魂のぶつかり合いのようで、僕(が出場できるだけ)のレベルではなかった(笑)啓太もチームもすごかった。あれだけ激しい試合なのにお互いにフェアプレーだったのもすごい。城南の選手も強くてうまかったけど、それに負けないうちの選手も立派でした。細かい内容は忘れましたが、あの1戦にはものすごいインパクトが残っています。

河野:啓太君に同じ質問。

鈴木:(02年第1ステージの)国立競技場での札幌戦です。僕は警告累積で出場停止となり、スタンドで観戦していました。ずっとストッパーで先発していたウチさんが初めてボランチに入ったのですが、ちょっとやばいなと思いました。敵ボールをどんどん取るし、さばくし、つぶすし、いいボランチだと感心しましたね。ウチさん完璧だ、ボランチうまい、俺のポジションなくなる、やばいって(笑)。

(河野正)

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