2013年9月、Jリーグは2015年シーズンからの「2ステージ制」導入を正式に決めた。決定に至るまで、多くのサポーターからは反対の意思を示した横断幕が各スタジアムで掲げられた。
「なぜJリーグは2ステージ制を断行したのか」
「2ステージ制に踏み切った背景は?」
そんな疑問が湧いてくる。
FM NACK5で長年、サッカー番組を放送している『FUNFUN SOCCER』(毎週土曜日・朝6時からの1時間)では、2ステージ制の仕掛け人・中西大介Jリーグ競技・事業統括本部長をゲストに迎え、番組パーソナリティー・大野勢太郎がリスナーなどからの質問を取り上げながら、中西氏に質問・疑問をぶつけた。30分にわたるインタビューに立ち会った『レッズプレス!!』が9月28日(土)放送分を3回に分けて、その模様をお送りする。
3回目はJリーグの地上波の露出について。今回は9月28日放送日分を3回に分けて紹介したが、来週は10月5日(土)放送日分を掲載する予定となっている。
《地上波への露出について》
大野:あと、テレビ放送についてもかなり、リスナーから届いています。「Jリーグに関心や興味がなくなったのは地上波の放送がほとんどないことが原因ではないでしょうか? サッカーを見るためにお金を払うのは、サッカーファンしかいません」と、このようなメールが来ていますが、どうなんでしょうか?
中西:Jリーグの地上波の中継は今年7本しかありません。NHK総合の7本です。もちろんローカル局でも応援していただいていますが、Jリーグの視聴率が全く取れなくなった。もちろん、われわれも何とか地上波で露出を図れるような努力を今までしてきました。努力してきましたが、今の視聴率ではとても続けられませんし、続けていただけません。
地上波を増やすためには象徴的な試合を1つ作ることで、民放やNHKに「最後の試合があるから、リーグ戦をちゃんと追ってください」という働きかけが必要です。今回、2ステージ+ポストシーズン制に至った1つの理由は、その象徴的な試合を作ることで年間の地上波の露出を増やすという目的もあります。お金のことだけではありません。露出を増やすことは、今のレギュラーシーズンだけではとても増やせる環境ではありません。それはファンのかたにも理解してほしいことなんです。
増やすためにも2015年以降はお金がこのくらい増えて、戦略的投資をこのようにしていくだけではなく、2015年以降の地上波の露出をこのようにしたいという、イメージがあります。今は具体的な数字では全部、確約したことは申し上げられませんが、これを行うことによって、レギュラーシーズンの放送が増えることは間違いないです。
大野:あと、私もスカパーに加入していますし、知人も多いので何とも言えないのですが、ここ埼玉で言うとローカル局はテレビ埼玉(テレ玉)ですが、比較的、積極的にサッカー中継をやるテレビ局ですが、ブロックをかけられて、先日(9月21日)のホーム・ヴァンフォーレ甲府戦を「中継できなかった」と言っていたんですよ。そういったブロックをスカパーに緩めていただくという算段を、Jリーグと契約でやっていただけるとテレビ埼玉が放送しやすくなります。
中西:そういったファンの方々からのお声を、われわれも頂いています。それから浦和レッズ、大宮アルディージャ、両クラブからも頂きます。
収入の最大化と露出の適正化、これをどこでバランスを取るか。収入の最大化と露出の適正化。どちらかに極端に寄ると今のJリーグは、先ほどのJ2を支える配分金を確保する必要もあります。だからどこでバランスを取るかということは思案しているところです。みなさんの声はちゃんと届いています。われわれもスカパーと誠意を持って、一番良いポイントを見つけていきます。これはお約束します。
(来週に続く)
※番組内では、リスナーのお名前が紹介されましたが、こちらでの掲載は控えさせていただきました。
▼Jリーグ掲示板(2ステージ制の議論など)
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