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REDSPRESS EYES|2023年期限付き移籍選手紹介:松崎快|レッズプレス!!

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2023年期限付き移籍選手紹介:松崎快

今季、他クラブに期限付き移籍していた選手を特集。今回は、ベガルタ仙台を追う板垣晴朗記者に、松崎快選手を紹介してもらった。



気配りと厳しさの共存。
静かなる職人の功績


ワンタッチで対面の相手を置き去りにする突破、切れこむ動きと縦の動きの使い分け、左足からの“技あり”のパスやシュート、と、スタジアムを沸かせる武器を多く有する松崎快。仙台加入にあたり自身のアピールポイントに「まずはスコアに関わる部分、得点やアシスト、そのひとつ前のチャンスクリエイトに関わる部分で、個人で打開できるのが自分の強み」と話していたように、チームの攻撃の幅を広げる役割が期待された。

実際に、彼が右サイドに入ったことで、仙台の攻撃は活性化された。サイドチェンジを有効活用したダイナミズムが生まれたこともあれば、細かいパス交換から相手陣内に複数人を送りこむための動力源となったこともある。ただし、仙台での半年間では、松崎はどちらかといえばフィニッシュよりも下支えのような役割が多かった。

松崎にとって難しかったのが、加入してほどなく監督が交代したこと。7月3日に期限付き移籍で加わり、大宮アカデミー時代にも指導を受けていた伊藤彰元監督の戦術を理解しようと努めていた。だが当時の仙台は成績も内容も芳しくない状態が続き、同月13日に伊藤監督が退任することになった。

自身初めてシーズン中の監督交代を経験し、堀孝史監督のもとでまた戦術を理解し直すことになったわけだが、賢明な松崎は4-2-3-1から4-1-4-1に変化する新システムでも右サイドMFのポジションをつかむ。普段は物静かなタイプながら、「しゃべりながらうまく周りの理解も深めつつ試合を通していくなかで、全体としての完成度も上がっていった」と、周囲との連係深化においては意見を交わすことを忘れず。仙台でのデビュー戦となったJ2第27節・東京V戦では早速アシスト。松崎からのクロスをピタリと決めたホ・ヨンジュンは「『こういうタイプのクロスが欲しい』と伝えたらその要求どおりだった」と喜んだ。

先発の座をつかみ、チームがトンネルを抜ける上で大きな貢献を果たした松崎だが、ゴールやアシストの記録は前述の東京V戦のあとにはない。たとえば松崎からのスルーパスを受けた選手のクロスからゴールが生まれたとか、松崎のクロスをシュートしたのが弾かれてそのこぼれ球を押しこんだとか、そういったゴールの二手前、アシストの一手前のようなプレーが多かった。そういうゴールやアシストの数字が残らなかった点では本人も不完全燃焼のところがあったし、なかなかフル出場がなく終盤には先発から外れた。しかし、苦しいチーム状況の中にあって、松崎が自身の武器を発揮して味方を助け、苦境を脱する力となっていたことは間違いない。

思慮深く、聞く者にとってわかりやすい言葉を選び取材対応する松崎。気配りをする一方で、「攻守の切り替えがまだまだ遅い」など、その時点でのチームや自身に足りないところを厳しく指摘し、改善に注力してきた。静かなる職人の功績を、ここに記しておきたい。

(板垣晴朗)
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