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REDSPRESS EYES|平川忠亮さんに捧ぐ 〜22日引退試合目前〜?|レッズプレス!!

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平川忠亮さんに捧ぐ 〜22日引退試合目前〜?

7月22日の「三菱重工カップ 平川忠亮引退試合」を控えて、元番記者が現役当時の平川忠亮さんについて原稿を寄せるシリーズ。



(河野正)

平川忠亮と小野伸二は竹馬の友であり、刎頚の友でもある。

「信じて走れば、必ず伸二からパスが届いた」という間柄だった清水商業高校以来、ふたりが再びチームメートになったのが、浦和レッズに栄華が到来した2006年と07年だ。小野と一緒にプレーすることを随分と待ちわびていた平川にとって、浦和で過ごした17年間の現役生活の中で最も充実していたのが、この2シーズンではなかったか。

先発や途中出場などを含め、同じピッチに立った公式戦は37試合あり、1度だけそろってゴールを決めたのが、06年4月26日にアビスパ福岡と対戦した敵地でのナビスコカップ予選リーグ第3節だ。

平川が3−4−2−1の右ウイングバック、小野が左ボランチで先発。前半18分に小野が左CKを直接決めて先制すると平川は同38分、右から持ち込んで山田暢久と壁パスを通し、左足でゴール左隅にチームの3点目を蹴り込んだ。平川がナビスコ杯で挙げた唯一の得点でもある。

「勝ったこともうれしいけど、伸二と同じ試合でゴールを決められましたからね、何倍もうれしいですよ。伸二もすごく喜んでくれた」

その夜、上機嫌だった平川の言葉と表情をはっきり覚えている。平川がサッカーマンとして、人として敬慕、尊敬している一番手が小野だ。出会えたことにも感謝する。

3日後の大宮アルディージャとのリーグ戦でも、ふたりは福岡戦と同じ位置で先発。後半13分だった。小野から平川へ出色のスルーパスが放たれたが、反応できなかった。片手を上げて「ごめん」と謝りながらも、満面には笑みを浮かべていた。私はサッカーに没頭した清水商高時代がオーバーラップしたものと思い、これこそ平川の原点だと直感した。

(スポーツライター・河野 正)

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