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REDSPRESS EYES|2019年期限付き移籍選手紹介:伊藤涼太郎|レッズプレス!!

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2019年期限付き移籍選手紹介:伊藤涼太郎

今季、他クラブに期限付き移籍していた選手を特集。今回は、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で大分トリニータの番記者を務めるひぐらしひなつ記者に、伊藤涼太郎選手を紹介してもらった。


三平和司と二人でゴールパフォーマンスをするようになった理由とは?
 

伊藤涼太郎の大分への期限付き移籍加入が発表されたとき、2018年J2での水戸戦の記憶が鮮明に蘇った。当時水戸でプレーしていた伊藤は、第5節には79分、1点のビハインドを追って宮本拓也と交代で出場。第35節にはジェフェルソン・バイアーノとの2トップで先発出場すると、いずれも周囲と流動的に絡みながらスペクタクルな攻撃を演出したのだった。

第35節の試合後には片野坂知宏監督も「バイタルエリア中央で木村祐志くんや茂木駿佑くん、伊藤涼太郎くんの判断とか仕掛けとか思い切りといったところに上回られ、使われて危険なシーンがあった」と、後半途中でシステム変更により対応せざるを得なかった理由を説明してくれた。

その年、大分はJ2を2位フィニッシュしてJ1へと自動昇格。J1では最少の強化費で戦わなくてはならないクラブが選択した手段は、J2で際立つプレーを見せた選手を集めることだった。山口で22得点を挙げリーグ得点ランク2位に輝いたオナイウ阿道、山形でリーグ戦11得点の小林成豪、甲府からは卓抜したパスとポジショニングセンスでアシストを量産した小塚和季。それぞれがかつてJ1で思うような結果を残せなかったり初めてJ1に挑戦したりといったプレーヤーを多く獲得した中で、伊藤への期待も大きかった。

開幕・鹿島戦でスタメンの座を勝ち取り、19分の藤本憲明の先制弾に絡む好スタート。そのゴールへ向かう勢いと局面での巧みさは見る者の心を沸かせた。天皇杯では2戦連続ゴールも記録し、チームの準々決勝進出に貢献した。

経験豊富な選手たちとの激しいポジション争いに揉まれ、結果的にシーズン通算リーグ戦4試合、カップ戦7試合の出場にとどまったが、この若きアタッカーへの関心の高さは取材中、さまざまなところで感じられた。浦和はもちろん、所属したチームや岡山・作陽高校の関係者、さらにはかつて練習参加しただけのチーム関係者からまで「涼太郎はどう?」と、やたら訊ねられる。言葉として結実するときにはしっかりと思考が整理されている伊藤のコメントは、意図的にプレーする力を裏付けているようで、彼を知る多くの人々がその完全開花を待ち望んでいるのだろう。

どんな場面でもクソ真面目で一所懸命だからか、チームメートたちからはよくイジられ愛される。特に三平和司は隙あらば伊藤に絡み、コンビネーションでのゴールパフォーマンスまで(一方的に)生み出した。三平に聞くと、「いい選手だから、たとえ試合に出られない時期があってもつぶれてほしくない」というのが、その真意なのだそうだ。

(ひぐらしひなつ)

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