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REDSPRESS EYES|G大阪戦は2020の決意表明〜リアクションからアクションサッカーへ〜|レッズプレス!!

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G大阪戦は2020の決意表明〜リアクションからアクションサッカーへ〜

今回は今季の最終節・G大阪戦に向けたプレビューを、郡司聡さんが執筆しました。


前節のFC東京戦を1-1で引き分けた試合後、鈴木大輔はこう言っていた。

「自分たちがいるべき位置は、このポジションではないと思っている。いまの状況にかかわらず、ホームでシーズンの最後を締め括るという意味では、サポーターのみなさんの前で勝利しかない。もう勝ちに行くだけ」

AFCチャンピオンズリーグでは“ファイナリスト”だった浦和レッズが、国内のJリーグでは残留争いに直面した。「自分たちがいるべき位置は、このポジションではない」という鈴木の言葉は、浦和サポーターの総意でもある。そうした“自負”を証明するためにも、ガンバ大阪を撃破し、来季につながる試合を、浦和の選手たちは埼スタのピッチで披露しなければならない。

今年5月、前任者のオズワルド・オリヴェイラ監督からチームの指揮権を譲り受けた大槻毅監督は、“分析家タイプ”の指揮官らしく、チームマネジメントよりも、ゲームコーディネーションに重きを置いてチームを作ってきた。大槻監督のアプローチは、相手を徹底的に分析し、選手たちに対戦相手のウイークポイントを落とし込むのが、“十八番”だ。例えば、FC東京戦におけるマルティノスのゴールシーンは、指揮官による分析が奏功した典型的な形だった。先制点につながる左足のブレ球ミドルを放った山中亮輔は、「相手が3ストーンでこぼれ球に対しての対応が1枚だったので、そこのところでフリーになれると分かっていた」と振り返る。G大阪戦に向けた準備期間も従来どおり非公開練習を行ったため、青黒のウイークポイントが選手たちに授けられているはずだ。

ただし、G大阪戦のピッチに立つ選手たちが、相手潰しや“リアクション”に徹する戦い方をするだけでは物足りない。埼スタを熱狂の渦に包み込むためにも、自らアクションを仕掛けて、ゴールに迫る回数を増やし、一つでも多くのゴールを奪うことに尽きる。FC東京戦では選手同士が近い距離感を維持しながら、パスをつないでアタッキングエリアに迫る回数も少なくなかった。もともと浦和の選手たちは、攻撃的マインドをベースとして、キャリアを積み重ねてきた選手たちが数多くそろっている。相手ゴールに肉薄するシーンを作り出すためのベースはあるだけに、あとはコンビネーションを突き詰めていくことが、シュートシーンの増加につながっていくはずだ。

FC東京戦のように、相手の猛攻に耐えて一発をものにするのも、今季の浦和を象徴するゲーム展開の一つ。しかし、ホーム最終戦では“リアクションの浦和”を卒業しなければならない。槙野は言う。

「今後いろいろと動きが出てくる中で、ホーム最終戦に来てくれるサポーターに対しては、来季を見据えた戦いを見せることが恩返しになると思う。内容も結果も伴った試合をして、気持ちよく勝ち、セレモニーを迎えたい」

三度目のアジア制覇まであと一歩に迫り、Jリーグでは残留争いに直面した2019シーズンも、次の1試合で終わりを告げる。G大阪とのホーム最終戦にして、今季ラストマッチ。来季に向けた選手たちの“決意表明”に注視しよう。

(文:郡司聡)

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