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武藤雄樹物語


昨季ベガルタ仙台から完全移籍してきた時、ファンやサポーターは「武藤? 誰?」という感想を持ったのではないか。ミハイロ ペトロヴィッチ監督ら一部のチーム関係者を除けば、それほど期待されていたわけではないだろう。

当人はチーム始動日の前日、「ワイドやサイドもできるが、シャドーが一番いい。監督から『スピードは教えられないので、存分に生かしてほしい』と言われました。チャンスは来ると思う」と新天地での挑戦に大志を抱いていた。

しかし、仙台でレギュラーになり切れず、4シーズン在籍してリーグ戦70試合6得点という、あまりぱっとしない数字から、「攻撃的ポジションはいずれ劣らぬ腕自慢ばかり。そんな浦和によくぞきたものだ」と感心というより、リスクの大きな選択に同情したものだ。

ところがどうだろう。昨季、サンフレッチェ広島から獲得した実績抜群の石原直樹が、4月12日の川崎フロンターレ戦で重傷を負った。直後の横浜F・マリノス戦で先発のお鉢が回ってくると、初得点をマークしてシャドーのポジションを獲得。躍動感あふれるプレーを披露し、次々と価値あるゴールを積み重ねていったのだ。

優勝した1stステージでは、チームタイ記録の4試合連続得点。前期だけで仙台時代の通算得点をしのぐ8点を記録する活躍ぶりだ。移籍1年目は32試合に出場し、エース興梠慎三を超えるチーム最多の13ゴールをものにした。

8月には東アジアカップで日本代表にデビューし、2試合に出場して2得点。「あれほど人生が動いたことはなかった」と本人でさえ、画期的で衝撃的な2015年だった。

あの活躍は偶然の産物-と冷ややかな目で見られないためにも、今季は試金石の年だ。何しろ浦和で背番号9を着用するのは、よほどの覚悟がいるのだから……。
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