両袖をたくし上げた、そのいでたちは、まるでキャプテン翼・日向小次郎。
コンクリートを砕く強烈なシュートでゴールを量産する、その気持ちの表れかと思いきや、「いや、暑いからです。変な焼け方をしないように」と猶本光。
女子ワールドカップの激闘が終わり、体のリフレッシュと気持ちのリセットを行った。
猶本曰く、過去最長のオフをもらったそうだが「1週間経って、走りたくなった」とサッカーを求めていたようだ。
前節、N相模原戦に先発フル出場した猶本はおととい4日、北九州スタジアムで開催される国際親善試合 アルゼンチン女子代表戦にむけたなでしこジャパンのメンバーに選出された。
猶本は次なる目標について「パリ五輪の前に、まずは予選を突破しなければならない。そのために日本の力になりたい」と代表定着を誓うとともに「ワールドカップとアジアでの戦いには違う厳しさがある。(パリ五輪には)2枠しかないので過酷な戦いになる」と気を引き締めた。
さらにパリ五輪出場は日本女子サッカーを盛り上げるためには必須だと力説。
「出場の切符を逃すと、ワールドカップを見て興味を持ってくれたかたが離れ、注目されなくなってしまう」
「女子ワールドカップ カナダ(2015年)で銀メダルだったのに翌年のリオデジャネイロ・オリンピック予選(2016年:日本は予選3位)で出場を逃してしまい、なでしこの注目度が下がったのを目の当たりにしている。なので(出場権を得ることは)大事になる」と肌感覚で危機感を抱いている。
さらにパリ大会本戦出場メンバーは現時点で18人という狭き門。猶本もうかうかできない。
その猶本、N相模原で2得点を決めた西尾葉音について「良い転機になったと思う」と目を細めた。
西尾といえば浦和レッズレディース名物・安藤塾塾生。
塾生筆頭(教官役)の猶本からは「タッチ数が多い」「そこで笑わない」と事細かに指導を受け、鍛えられた、その末の2得点。
これまで決定機がありながらも決めきれずにいた西尾。
その気持ちを察してか猶本は「昨年から結果を出せずに苦しんでいるなか、やっと決められた。2得点あげたことは嬉しい」と評価しつつ、大切なのはこれからと、くぎを刺した。
「わたしもそうだが、継続していかないといけない。ゴールと同じようにゴール以外のほかの部分で良いプレーをしなければならない。
2得点は素晴らしいがもっと伸ばさないといけない。浦和レッズレディースのメンバーを見るとケガ人が揃って、し烈な争いになっている。その競争を勝ち抜くにはゴールとほかの部分、攻守での貢献できるかが課題だ」となかなか厳しい。
これに西尾は「満足していない。次がないと無駄になってしまう。(ゴールからは)気持ちを切り替えている。決めたからどうこうではなく、チームのために何ができるか、シンプルに考えたい」としっかり受け止めている。また塾長の安藤からも「練習からしっかりやらないと(メンバーから)外されるよ」と言われたそうで「練習では自分から気持ちを高めている」と仙台戦への準備を進める。
安藤塾ではこれまで感覚的だった『シュートまでの入り方・型』を習得中。裏抜けの得意な西尾は「段々、自分のモノになってきている」と手応えをつかんでいる。
厳しい塾長・筆頭のもと、すくすく育つ西尾葉音に注目だ。
・・・・・・
2025/05/05
2025/05/04
2025/05/04
2025/05/04
2025/05/04
2025/05/04
2025/05/03
2025/05/03
2025/05/03
2025/05/03