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試合レポート|一歩前進の皇后杯、長野に完封勝利!〜試合に出られない選手の分まで|レッズプレス!!

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一歩前進の皇后杯、長野に完封勝利!〜試合に出られない選手の分まで

『皇后杯 JFA第40回全日本女子サッカー選手権大会』は12月22日(土)に準々決勝を迎え、浦和レッズレディースは宮城県・ユアテックスタジアム仙台で、AC長野パルセイロ・レディース(なでしこ1部/長野)と対戦した。杜の都・仙台の上空には今年最後の満月が輝き、準決勝進出を目指す両チームの選手を照らしていた。

白のユニフォームの浦和は、序盤から試合の主導権を握った。菅澤優衣香を軸に、スピードに定評のある高橋はなが2トップの一角として相手の最終ラインの裏を果敢に走っていく。スピードという点では、右サイドハーフとして先発出場の大熊良奈も魅力ある選手だ。

キャプテンの柴田華絵、栗島朱里、吉良知夏といった経験豊富な選手が中盤で巧みに距離を取りながら、ボールに関わる中で、大熊も縦をついたり、中に絞って素早いターンを見せるなど、相手のマークを動かし、ゴールを狙った。

4バックはセンターバックに長船加奈が入り、全体を統率。相棒は、Uー20日本女子代表でキャプテンとしてワールドカップの優勝に導いた南萌華。右に長嶋玲奈、左には、古巣がベガルタ仙台レディースの佐々木繭が位置した。佐々木にとって、得意なポジションの1つである左サイドバック。身体を張った守備だけではなく、セットプレーのこぼれ球を狙い、PKに繋がるパスを入れた。

一方、長野は劣勢に見える中、ミドルレンジから積極的にシュートを放ち、しっかりと枠を捉えてくる。ここはゴールマウスを守るGK池田咲紀子がしっかりと止めたが、浦和は、長野の一発を警戒しつつ、ゴールを目指す必要があった。試合が動いたのは、30分。こぼれ球に反応した佐々木が前線へ入れたボールがコントロールミスでハンドとなり、浦和にPKという好機が訪れた。

前半の浦和は、多くの時間でボールを保持したが、なかなかシュートが枠を捉える決定機はなかった中で得た絶好の得点機に、菅澤はボールをセットすると、冷静に右へ決め、1ー0と先制点を奪った。

以降、戦いとしては我慢の時間が増えたが、球ぎわに厳しく、体を投げ出してまでしっかりと守り、前半を1点リードで終えた。後半に入ると、相手のポジショニングに苦戦したが、耐えた。守備陣だけではなく、例えば、CKの場面では、菅澤が高い打点のヘディングでクリアして嫌な流れを止めるなど、攻撃陣の守備への貢献も目立った。

結果、浦和は前半に決めた1ゴールを守りきり、1ー0で準決勝へコマを進めた。準決勝からは大阪に舞台を移す。パナソニック スタジアム吹田で、日テレ・ベレーザと戦う。圧倒的な守備と攻撃で、なでしこリーグをけん引するベレーザ。今季、リーグ戦では完敗し、涙を流すこともあった。2018年で感じた悔しさは、引きずらない。元日決勝へつなげるために。泥臭い戦いでもいい。勝利を……。準決勝は、12月29日(土)の昼12時キックオフ。

得点者/
30分/菅澤優衣香(PK)

[メンバー]
GK池田咲紀子
DF長嶋玲奈 長船加奈 南萌華 佐々木繭
MF大熊良奈(交代83分/→遠藤優) 柴田華絵 栗島朱里(交代69分/→木崎あおい) 吉良知夏
FW高橋はな 菅澤優衣香
(交代分/→)

《正木裕史監督》

前半はある程度、イメージしていた通りの試合展開で、後半も、そのままいきたかったが、(相手のFWの位置どりが変わる中で)少し守備的になった。また、かなり想定外にいろいろなことが起きたけれど、最後まで戦うところが全面に出た試合だった。それが勝利につながったのかなと思う。

(イメージ通りとは)自分たちがしっかりと攻撃を仕掛け、攻撃の中での積極さ、関わりをしっかりと取ること。その中でリスクマネジメントとして、横山選手ともう1枚のFWをしっかりと見ようと話していた。そこは、しっかりと抑えることが出来ていたので良かった。前半は、横山選手がおりてくれたことによって出来たことが、後半は(長野の)2トップが引っ張って、自分たち(浦和)の最終ラインを下げたことによって、自分たちの最終ラインとボランチの間に少しスペースができてしまった。

その中で(2トップに対しては)見ることができていたが、違うところから入ってこられるシーンが多くなってしまった。想定外であり、甘かった部分かなと思う。(その中で見せた1対1の場面での強さ、勝負に負けない姿勢は)それがないと観に来てくれている方々は感動しないと思うし、とにかく戦うことだけを、最後まで、元日までやり切ろうと言っているので良かった。

(リーグの)最後の第18節もそうだったが、自分たちが最初に受けから入ってしまって、なかなかゲームを自分たちのペースに持っていくことが出来なかった。(きょうの先制点は)ファーストチャンス、ファーストプレーをもっと大事にして、取り切ろうということを徹底した中で生まれた得点なのかなと思う。きょうは(菅澤、高橋の)2トップのところもだが、(走りきって)脚を攣る選手が出てくるぐらい、いつも以上にハイパワーの中で動いてくれた。(勝利は)その結果だと思う。

(ナイトゲーム対策は)寒さやナイトゲームであることで、だからどうだと考えてしまうと、また受けにまわってしまうので、どんな状況でも「自分たちにかかってこい」という強い気持ちで、とにかく準備しようと言ってきた。だからこそ、準備は各自に任せて、動く選手は体を動かしていたし、ホテルに残っていた選手もいた。それぞれに責任を果たしてくれた。

(準決勝は日テレ・ベレーザ戦だが)きょうのロッカールームでも話していたことだが、向こうに5人の選手が残っている中で、準備して、きょうの試合を迎えている。また、来週からベレーザ戦もしっかりと乗り切って、元日に向かうというところで、また、相手がベレーザだからどうだとなると、今季の自分たちの弱さ、受けにまわってしまうところが出てしまうので、前から強気に行きたい。

(サポーターも戦っていたが)就任した時から言っているが、同じエンブレムを背負って、同じ想いを持って、こういったところに足を運んでくれている。そういう方々に対して、喜んで帰ってもらうには、勝利することだと常に言っている。結果が出て良かった。

《キャプテン柴田華絵》
ロングボールのセカンドボールを拾おうと中で言っていたので、そこを拾えたのと、相手が後半、FWが残っている状態で、ポジショニングが難しくなったなと思いながら、それでも耐えることが出来て良かった。(ベレーザは)強い相手だが、勝ちに行く。

《菅澤優衣香》
少しでも相手のプレッシャーになればと思ってボールを追っていた。周りの選手もそれについてきてくれていたので良かった。(先制点は)形はPKだが、こぼれ球もしっかりと味方が狙っていて、という場面で取れたPKなので、それを落ち着いて決めることが出来て良かった。FWとしては点を取るチャンス。蹴りたいので、率先してボールを持った。きょうはコースを狙いながら、速いシュートを打った。先制点は大事だと思っていたので、しっかりと自分たちが点を取ることが出来、大事なところで決めることが出来た安心感と気を引き締めた。

チームが1つになっていることを、今季、最後になってからとても感じるので、チーム力でも相手を上回ることが出来たのが結果に繋がったのかなと思う。サポーターの方にもそういう試合を通じて何か思ってもらいたい。続けたい。次の試合が楽しみ。どうしても出れる選手出られない選手が出てしまうが、そういう想いもしっかりと持って、ピッチに立った選手は全力で。それだけ。

《南萌華》
守ることに必死で、(65分のピンチでは)とりあえず、ボールに届け!という感じで体を投げ出した。後半は、前半に比べて試合が慌ただしくなってしまい、自分たちもそれに合わせて慌ただしくなってしまったが、失点しなかったのが一番良いこと。その中で追加点を取ることができればいいが、本当に全員が体を張って戦ってくれたので、勝つことが出来て良かった。(ベレーザ戦は)今のままではダメだと思う。この1週間で、出来るところはなるべく修正し、次はもっと良い戦いができればと思う。

《佐々木繭》
(自分たちが)攻撃している時、残っている人を警戒するように意識した。(サイドハーフとは)中に見てもらうところと、外に行くところは結構2人で声を掛け合い、プレーした。(PKに繋がったが、こぼれ球をひろい、鋭い縦パスを入れていたが)CKに繋がっても良いなと思って意識して入れたボール。(FWは)競るのも強いし、ターゲットになってくれるので簡単に入れることも意識した。それが結果的にチャンスになったので良かった。

(古巣・ベガルタ仙台レディースの思い出ある場所だったが)自分たちの前に試合をしていたので、みんなのプレーも見て、自分のモチベーションを上げていた。(ベレーザ戦は)カップ戦で、1度勝てたので、その時のイメージを持ちつつも、その時以上にレベルアップしていると思うので、良い準備をしたい。

《大熊良奈》
監督から「ここに来られない選手やベンチで一緒に頑張ってくれている選手も含めて試合に出ている分、しっかりと結果で良い報告が出来たらなと思って試合に入った。(連携は)サイドハーフは結構中に入って、ターンしたりというのが持ち味だと思ったので、それを生かして、FWが裏を抜けたり、自分も裏を抜けたり、状況を見てプレーしていた。勝ったことは良いが、自分としては得点という結果がまだ届けられていないので、点を取りたかったというのが率直な気持ち。悔しさが残る。コースはあったが、自分の技術がまだまだで、もっとボールを運べたり、もっと良いところにボールを置くことができれば、もっと良いシュートを打つことができると思う。(きょうは)みんなが集中して、守備も攻撃もやったことで、最後まで戦い抜くことが出来たのかなと思う。去年もベスト4で終わっているので、今季こそ決勝へ進出し、優勝できるように頑張りたい。

(10代最後の日に勝利は)うれしかった。(あす12月23日に)20歳になるが、歳は関係ないと思うので、いつも通りの自分のプレーを出して、準決勝も、決勝も頑張りたい。準決勝で試合に出ることが出来たら、浦和レッズに来て、ベレーザと戦うのは初めてになる。しっかりと点で結果を残したい。
(有賀久子)

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