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試合レポート|2017プレナスなでしこリーグ第14節・ちふれASエルフェン戦=ダイジェスト&コメント|レッズプレス!!

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2017プレナスなでしこリーグ第14節・ちふれASエルフェン戦=ダイジェスト&コメント

うまい!うますぎる!!筏井りさFK2発を含め全得点に絡む活躍。3−2で浦和ダービー勝利

ダービーらしい、90分飽きないゲームだった。

9月6日(水)の2017プレナスなでしこリーグ1部第11節の日テレ・ベレーザ戦(0−1)から中3日で行われた第14節・ちふれASエルフェン埼玉戦。“なでしこ版さいたまダービー”が午後6時からNACK5スタジアム大宮で行われた。

前節・日テレ戦で左SBで出場したDF木崎あおいはU−19女子代表に招集されたため、代わって、DF北川ひかるが先発。同じく前節先発だったFW安藤梢はベンチスタート。代わって、FW菅澤優衣香がスタメン出場となった。

試合は18分、GK正面やや右、推定距離20メートルの位置で浦和がフリーキックのチャンスを得る。これをMF筏井りさが叩き込み、先制。しかし、27分。ちふれDF薊理絵がクロス。これをペナルティーエリア内で浦和がファウル。PKの判定となり、1−1の同点に追いつかれた。

29分に、浦和MF猶本光がクリアボールから推定30メートルのミドルシュートを決め、2―1。

さらに44分。筏井りさが1点目とほぼ同じ位置からフリーキック。これをしっかり決め、3−1とした。

後半に入り、試合は一方的な浦和ペースで進むも、82分、ちふれのMF中村ゆしかに左サイドを破られると最後はMF高橋彩織に決められ、3−2とされた。

1点差に迫られたものの、守り切り、浦和が3−2で勝利。

シュート数は、ちふれ9本に対し、浦和は20本。なかでもMF猶本が7本のシュートを放ったのが目立った。

浦和は勝ち点を「25」に伸ばし、2位のINAC神戸との勝ち点差を「5」とした。

審判との相性というべきだろうか、我々から見てファウルだろうなと思ったのにファウルではなく、ファウルでないのに、ファウルと判定される、いわゆる微妙なジャッジはどうしてもある。これにカテゴリーに関係なく、選手のメンタルはかき乱され、プレーに影響する。しかし、きょうの浦和にはそうした動揺は感じられなかった。

2点目となった猶本のゴールがまさにそれだった。

1−0で迎えた27分。ハンドの判定でPKを取られ、失点を喫した。その直後、浦和側のペナルティーエリア内で相手選手がハンドをしたように見えたが、PKの判定とならず。ピッチの中もベンチサイドもスタジアムもざわついた。

しかし、「決めれば良いじゃん」とまったく意に介さないような猶本光の目の覚めるようなミドルシュートが試合の流れを引き戻した。

「ジャッジはジャッジとして、プレーはプレーとして、別々に考えることができた」と猶本。
こうした冷静さが2点目を生んだ。またこれは猶本だけでなく、チーム全体でも言える。
「選手たちのDo Challenge!というか、次のトライ、次のトライということで、ベレーザ戦も含めて、やれている」と石原監督。

たとえ、やられても簡単にやられないというメンタルの逞しさが以前に増して、出てきた、そのひとつの事象だ。

ただ、指摘したくなるのは、82分の失点。90分間通して、なるべく運動量を落とさず、できるかどうかが今後の課題だ。

試合後、石原監督はこんなことをこぼしていた。

「帯同メンバーを18人から19人にしてくれないかな」。

監督としても、ベンチ外に置くには忍びない調子の良い選手、そして、起用したい選手がいるということ。それだけチームは良い状態であり、確かな成長曲線をチーム全体として描きつつあるという現れ。

日々、成長と逞しさが感じられる浦和レッズレディース。次節、浦和駒場でのノジマステラ神奈川相模原戦も見られそうだ。


2017プレナスなでしこリーグ1部 第14節 ちふれASエルフェン埼玉戦
日時/9月10日(日) 18:00キックオフ
会場/NACK5スタジアム大宮(埼玉県)
試合終了/3対2 (前半3対1)勝利
観客数/1,211人
主審/草処 和江
副審/吉澤 久惠、荒川 里実
第4の審判員/福島 秀人

浦和レッズ
監督/石原孝尚

≪先発メンバー≫
GK:池田 咲紀子
DF:栗島朱里・長船加奈・高畑志帆・北川ひかる
MF:柴田華絵・筏井りさ(87分→長野風花)・猶本光・塩越柚歩(86分→加藤千佳)
FW:吉良知夏・菅澤優衣香(72分→安藤梢)

《SUB》
GK:松本真未子
DF:長嶋洸・三谷沙也加
MF:山守杏奈
FW:白木星

□得点□
18分 筏井りさ(浦和)
27分 高野 紗希(ちふれ)
29分 猶本光(浦和)
44分 筏井りさ(浦和)
82分    高橋 彩織(ちふれ)



《石原孝尚監督》
3連戦の最後の試合。コンディション的にどうかなと思ったが、選手たちが積極的にやりながら、チャンスを作りながら、試合ができた。

失点をゼロで抑えながら、試合ができればと思ったが、全体的にやりたいことはできた。次につながる。(失点について)劣勢に立たされた相手が前に出ざるを得ない状態。本当ならば、その攻撃を抑えながら、追加点をあげたかった。きっちり修正したい。

(8日間で3試合の厳しい日程でしたが?)土曜日、水曜日、きょう日曜日と中3日の時間がちゃんとあった。しっかり1日休んで、2日でコンディションを作ることができた。選手たちは水曜日の日テレ・ベレーザ戦でしっかり動けていた。

きょうは疲れが残るかなと思ったが、3試合目で日テレ戦だったら、どうかなと思ったが、そうした意味ではやれることはやれた。

トライはできていた。やることは選んでできていた。(菅澤)優衣香のところもそうだし、北川も積極的に攻撃をしかけてくれた。右サイドバックの栗島からも良いクロスが入った。狙った通りにいけた。フリーキックの2発はあったが、流れのなかで点を取りたかった。狙いはできた。

(前線の連係について)(吉良)知夏が気を遣いながら、菅澤とコンビネーションで攻撃をしかけ、2列目の選手、柴田と塩越のポジショニング、猶本が裏に走るなどの関係性で速いテンポで攻撃ができ、サイドバックのパスの質も前半、良かった。あのような形でほかのチームともできれば、きょうのような試合はできると思う。

(2得点目の猶本選手のゴールの直前など、主審の微妙なジャッジがありました。しかし、気持ちを切らさずできていました。それができたからこその2得点目だったと思いますが)選手たちのDo Challenge!というか、次のトライ、次のトライということで、ベレーザ戦も含めて、やれている。自分たちのミスを引っ張らなくなった。失点したあとも、ベレーザ戦もそうだったが、ゴールに迫っていた。メンタル的なところで、例えば、昨年だったら、そのまま負けていた試合を、自分たちから追いついたり、ひっくり返したり、という自信があっての‘やれる’というのがあると思う。

《猶本光》
(2点目について。その直前、ハンドの判定と思われたシーンがありましたが?)(筏井)りささんにボールが入ったとき、「これはいける」と思って、「ボールちょうだい!!」と言って、あとは蹴るだけだった。入って良かった。点が入ったことでもう一回、流れを引き寄せられてよかった。

(審判のジャッジに左右されなかった結果での2点目のゴールだったと思いますが?)それは間違いない。ジャッジはジャッジとして、プレーはプレーとして、別々に考えることができた。

守備に関しては仙台戦から機能し始めた。その守備が続けてできていることがチームの良い流れにつながっている。

きょうはボールを奪ったあとも、イケイケにならず、ボールを横に揺さぶりながら、行けるところで刺していくこともできた。私自身、きょうはあと2点くらい取れたので悔しいです。

《筏井りさ》
先制できたのはよかった。そのあと、追加点を取れたが、落ち着かない試合になった。勝ち点3取れてよかった。1週間3試合のなか、きょうしっかり勝ち切ることができた。

(FKについて)1点目はニアが空いていたので、壁の上を越えて、蹴り上げすぎなければ入ると思った。

2点目は同じ場所にGKが立っていたら、同じ場所に蹴ろうとしたが、そこを修正したので、逆に行こうと思った。ただ、逆にいったとき、反応の良いGKなら触れるので、少し速いボールで狙った。


(ゲームとしては)縦に急ぎ過ぎず、横にずらしながら、またわたしのところが空いていたので、使いながら、揺さぶってから攻めようとした。ちょっと悪い時間というか、縦に早くなってしまった。


《吉良知夏》
終わってみれば3−2の結果。勝てて良かった。もう少し、大差があっても良かった内容。きょうは審判のジャッジはあったが、それとは関係なく、左右されないようにプレーしなければならない。冷静になっていかなければならない。

ただ、気持ちの切り替えがあっての2点目だった。あの時間帯で(2点目)取ってくれて、気持ちが落ち着けた。


《北川ひかる》
(久しぶりのスタメンでしたが)自分らしさ、積極的に攻撃に参加するところと、アグレッシブな守備を意識して、試合に入った。自分としては納得いかなさすぎて、結構、いま、元気がないんです……。

試合に絡めてなかった分、体力というか……足がもたなかった。70分くらいから足がつり始めて、そこから攻撃も守備もいまひとつになった。その点は悔しい。

(悔しさは?)もっと攻撃的にいきたかった。守備でも1対1で対応できた。足の部分が気がかりになってしまった。90分、出たかったですし、(セーブした?)そうですね。

(北川選手のサイドにフレッシュな選手を入れてきましたが)自分たちの出来が良かったから、選手を入れてきたと思う。前向きにとらえたい。


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