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浦和レッズレディースニュース|WEリーグ監督フォーラムが開催。「WEリーグを世界一のリーグにするために」|レッズプレス!!

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WEリーグ監督フォーラムが開催。「WEリーグを世界一のリーグにするために」

(石田達也)

9日(日)、WEリーグ監督フォーラムが長野Uスタジアムで開催された。これはWEリーグが掲げるビジョン「世界一の女子サッカー」の実現や監督同士のコミュニケーションを深める機会として行われており、昨年7月に第1回が開催され、今回で3回目を数える。

きょう11日(火)、オンライン形式でWEリーグ総括と展望などの説明が行われ、公益財団法人日本サッカー協会 今井純子理事、野仲賢勝専務理事、小野剛テクニカルアドバイザー、そしてWEリーグクラブから浦和レッズレディースでプレーし、現在、AC長野パルセイロ・レディースで指揮を執る田代久美子監督と竹本一彦監督(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)が登壇した。

まず今井理事が「女子サッカーの発展にとってWEリーグはあらゆる面での核となるもの。世界一の女子サッカーを監督の皆さんと作り上げていきたい。シーズン中はライバルでありながらレベルアップしていく仲間として情報を共有しディスカッションをしていく大事な機会としている」とフォーラムの意義・目的を話した。

そして、小野テクニカルアドバイザーは「それぞれがライバルであり、かつ世界一になるための仲間」と話すと、WEリーグとアメリカ、フランスのリーグをデータ化した数値を項目ごとに説明する。

シュート数に関して、「シュート数は若干劣るもののオンターゲットが低い。ビルドアップがいきすぎ、単純にキックを育成から見直すことも必要と会議では出ていた。パス数が多いのが日本のスタイルで世界でもリスペクトされている。海外は直線的にゴールに向かうことでパス数は少ない。ただ、これは表裏一体で、世界に出ればゴールに向かうサッカーに対面させられる場面もある」。

次にクロスの成功率は「群を抜いて高い。ピンポイントで合わせ得点に至ることが日本の武器」とコメント。

また他国と比較してもハイプレスの数が非常に高い数値だと言う。「なでしこリーグ時と比較しても大きく飛躍している。高いインテンシティの中でプレーし、リスクを負ってでも得点を取るためにプレッシングにいく。そこで相手のプレスを逆手に取るアンチプレッシングが勝敗の行方を占い、キーパーも参加することが主流の1つ。意図的なパスで相手を交わすプレーが増えWEリーグで実践されている。一番誇れるのは、ハイプレスはインテンシティの高さを表しているが、ファール・警告数が極端に少ないこと。高いインテンシティで試合をしながら相手に対するリスペクト、ファールに頼らないプレーができている。ひた向きにプレーする魅力のあるリーグでもある」とWEリーグ初年度の特長を総括した。

マイボールではなく、相手ボールであっても、ゴールを奪いにいくサッカーが主流となる中で、日本女子代表を率いる池田太監督が掲げる“ボールを奪い、ゴールを奪う”コンセプトは主流そのものと言ってもおかしくはない。
また、三菱重工浦和レッズレディースの楠瀬直木監督が目指す積極的にボールを奪い、ボールを保持しながら相手を崩すサッカーも日本の良い部分と世界の主流をミックスさせたもの。プロ化になったことで選手たちの意識もそうだが、練習時間の確保やフィジカル面や戦術面の部分で落とし込みやすくなっているのだ。

田代監督は、WEリーグ監督フォーラムについての感想を「世界一を目指す中、トレンドを把握できたことで明確になった。他の監督の話も聞くことができて自分の中に取り入れられる部分もあると感じた。非常に良い交流の場となった」と感想を述べた。

続けて竹本監督は「世界のトレンドを共有して、世界につなげるきっかけになった。しっかりとプレスとアンチプレスに取り組んでいるクラブはある。1年目でリトリートの守備力は高まったし、フィジカルの強さも伸びたと思う。お互いがやり合うサッカーに持っていくかが見どころになる」と述べた。

最後に質疑応答が行われ、「リーグに外国籍選手が少ない現状について」を訊かれた小野テクニカルアドバイザーは「コロナの影響も大きく、もう1つはWEリーグのサッカーがまだ分からないところもある。お金を稼ぐためではなく、武者修行、自分の価値を、選手の価値を高める魅力的なリーグにしたい」と言う。

野仲理事は「クラブに差はあるが、WEリーグを世界に紹介していく部分をテコ入れしたい」と答えた。

次に「ハイプレスの重要性について」を問われた田代監督は「(AC長野は)縦に速くがコンセプト。高いレベルの選手が揃っている訳ではないので、より相手ゴールに近いところで奪いゴールを増やすことが重要だと思っている。観客数を増やすことを考えた時にゴールが増えることが楽しい、ゴールをたくさん決めるためにはシュートをたくさん打たなければいけない、シュートをたくさん打つためには、そこに迫ることが必要なのでハイプレスを志向している」。そして「このフォーラムで世界の主流を再確認した。WEリーグ自体ハイプレスが多い中で、アンチプレスが大きな課題となっているのでチームの中で積み重ね、個の育成は絶対に必要なので、結果とつなぎ合わせたいと思っている」と語った。

2年目のWEリーグは10月22日(土)に幕を開ける。プレッシングとアンチプレッシング、そしてインテンシティが高く、無駄なファールが少ない。1つ1つのプレーがリーグの価値を高めていくはずだ。ひた向きに戦うWEリーガーのプレーに注目したい。
なお、浦和は23日(土)の14時に、埼玉スタジアム2〇〇2で田代監督が率いるAC長野と対戦する予定だ。


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