back

浦和レッズレディースニュース|浸透した森監督のパスサッカー。浦和レディースが皇后杯決勝へ|レッズプレス!!

top
浸透した森監督のパスサッカー。浦和レディースが皇后杯決勝へ

浸透した森監督のパスサッカー。浦和レディースが皇后杯決勝へ

今季公式戦4試合全敗のINAC神戸から、3−2の逆転勝利を収めた。気温8.8℃。冷たい雨が降る中でも見ごたえがあり、面白い試合だった。また3点ともヘディングシュートというのも珍しい。

開始わずか81秒の失点には思わず肩とペンを落としたが、ピッチの選手たちは違った。慌てず、騒がず、焦れず、動じず。1年間かけてやってきたサッカーを粛々と、かつ楽しそうにやっていた。

前線からのプレス、コンパクトに保たれた陣形。取られたらすぐ取り返し、ゴールに向かう。単純に前へ前へと行くだけでなく、サイドチェンジで相手を揺さぶり、スペースに落としてからのシュートなど、幅と奥行きのある攻撃が見られた。

良い攻撃は良い守備につながる。逆もまた然り。勝負強さは課題だが、先に失点してズルズル引きずる“ひ弱さ”は失せ、たくましさが感じられた。

一番後ろでチームを見守るGK池田咲紀子は、「相手の決定的なチャンスが少なく、失点したところだけだった。そこで自分が仕事をできなかったことはチームに申し訳なかったけど、守備の安定から良い攻撃ができた。後ろから見ても『頼む』ではないけど、前線からのプレスや途中から入った選手たちが頼もしく見えた」と言い、さらに「今季、特に後半は自分たちのサッカーに対して信じ切って、やり切れている。成功したことの喜びを共有できている」と笑った。

就任1年目。適材適所を見極め、選手をコンバートし、相手に合わせず、自分たちのサッカーを貫こうとした名伯楽・森栄次監督の面目躍如。池田の言葉にきっと喜ぶだろう。

この試合でMVPを挙げるなら、MF塩越柚歩だ。公式戦5試合連続先発出場中の塩越は出色の出来だった。

中盤はどこでもござれの塩越。ユーティリティープレーヤーは器用な半面、一般的に監督としては使いづらい器用貧乏さを持ち合わせるもの。しかし、塩越は違った。トップ下から左右両サイドと3つのポジションをこなし、クロス、スルーパスを見せれば、守備では攻め上がった右SB清家貴子のスペースを埋めた。さらにセットプレー。CKも得点の予感を抱かせ、相手にとっては怖いボールだった。90分通して塩越の持つサッカーセンスがピッチにほとばしっていた。

塩越は「自分自身、調子が良かったこともあるが、最後まで起用してくれたことで自信につながる。最後までピッチにいれたことは収穫」とクールに語ったが、リーグ戦は帯同メンバーにも入れない時期を長く過ごしただけに、「皇后杯にぶつけようと思った」と熱かった。

また、森監督の目指すサッカーと塩越のプレーの親和性の高さが感じられた。

これに塩越は「森監督のサッカーがみんなに定着しつつあるのと、自分の持つサッカーが森監督のパスサッカーにフィットしていることはもちろんある。今日は特に感覚が良かった」と話すとともに、「SBに落ちたり、右左に行ったが、それは自分だけではない。みんながみんな流動的に動く、これがいまのサッカー。森監督はそのポジションに誰かがいればいい、ポジションにこだわらないサッカー。自分自身がというより、みんなで穴埋めをしている」。

確かににそうかもしれない。GK池田(あるいはFW菅澤も)以外、複数のポジションができる選手ばかり。“森サッカー”は相互補完型のサッカーと言うべきだろうか。

塩越のプレーに目を奪われたが、逆転勝利の陰にはダブルボランチ・柴田華絵、栗島朱里のセンスが光るプレーがあったことも忘れてはいけない。

さぁ、いよいよ決勝進出。相手は日テレ・ベレーザ。新女王へあと一歩だ。

(佐藤亮太)

・・・・・・

ログイン・会員登録はコチラから
すべての記事をご覧いただくには、会員登録が必要です。
※既に会員登録済みの場合、ログインを行うことで閲覧可能となります。



レッズレディースTOPへ


(c)REDS PRESS