ヘッド3発!!浦和レッズレディース、皇后杯決勝進出
皇后杯JFA第41回全日本女子サッカー選手権大会準決勝、浦和レッズレディース対INAC神戸レオネッサ戦が午後3時からNACK5スタジアム大宮で行われた。
配られたスタメン表は3−5−2だが、実際はいつも通りの4−2−3−1の布陣で始まった。
試合は2分、クリアのこぼれ球を拾ったINAC神戸FW京川舞が左サイド前方にパス。これを受けたMF杉田妃和がゴール深くまで進入しクロスを上げる。このボールに対して、浦和のGKとDFが交錯。こぼれたところをMF中島依美に押し込まれ、先制点を奪われた。
しかし9分、浦和はカウンターから右サイドバックに入った清家貴子が放ったシュートがバーを直撃。このこぼれ球をFW菅澤優衣香が頭で押し込んで、同点とした。
その後、勢いそのままに押す浦和。INAC神戸のカウンターにうまく対応し、攻撃の芽を摘む。1対1で前半を折り返した。
後半に入って55分、INAC神戸MF増谷理花にミドルシュートを決められ、勝ち越しを許した。その2分後、浦和はMF安藤梢を下げ、DF高橋はなを投入。高橋を前線に置き、菅澤優衣香と高橋が2トップを組む4−4−2に変更。これを合図に浦和レッズレディースが押し返した。
61分、MF栗島朱里の浮き球→ペナルティエリア内のDF長船加奈が山なりのパスを最後はDF清家貴子が頭で押し込み、同点とする。
さらに77分、コーナーキックからDF南萌華が頭で押し込み、逆転。
試合は浦和がFW菅澤、DF清家、DF南のヘッド3発により3−2で逆転勝ち。第36回大会以来、6大会ぶりの決勝進出を決めた。
《スタメン》
GK:池田咲紀子
DF:長船加奈・南萌華・佐々木繭
MF:栗島朱里・水谷有希・柴田華絵・塩越柚歩・安藤梢
FW:菅澤優衣香・清家貴子
(交代)
57分 MF安藤→DF高橋はな
67分 MF水谷→DF長嶋玲奈
《水谷有希》
先に失点したが、特に焦ることもなく、失点して変に意識することなく、得点を取りに行かなくてはという焦りもなくできた。立ち上がりすぐだったからこそ余裕を持って、試合に入れた。
INACには今季4つ負けているぶん、勝たなければならないという意識はそれほど強くなく、負けて良いじゃないけど……スタートラインが負けから入っていたので、チャレンジャーという立場で臨めた。
縦になりすぎるとどうしてもサッカーが忙しくなり、しんどくなってしまう。サイドに散らすように要求したり、自分が散らしたりすることを意識した。
《清家貴子》
最初の失点が早すぎて、シュンと落ち込むことはなく、チームとしてやっちゃったなという軽い感じで試合に入れたことが逆に良かった。失点したときに、その絵が見えていたし、みんなも同じような感覚だったと思う。自分としては絶対に勝てると思った。焦れずにゴールを狙うことだけを考えた。
前回、準々決勝の仙台戦でもそうでしたがサポーターの方が来てくれ、すごい良い雰囲気だった。さいたまに帰ってきて、あれだけの応援があって力強かった。
《塩越柚歩》
チームの雰囲気が良かったのと自分自身、ボールフィーリングが良いと感じていた。それが得点につながってよかった。みんながみんな最後まで頑張ったおかげで生まれた結果。
(ケガなどで起用されない時期が長かったですが)森監督のサッカーがフィットしていると感じていた。リーグ前半は試合に出られず、悔しい思いをしたぶん、皇后杯にぶつけようとした。それがいま、結果につながっているので良かった。
(きょうはトップ下、左右MFと3つのポジションでプレーしましたが?)練習でもポジションはころころ変えており、動き回るサッカーなので、ポジションにとらわれず、右も左も関係なく、プレーできた。自分自身、調子が良かったこともあるが、最後まで起用してくれたことで自信につながる。最後までピッチにいれたことは収穫。
(CK、FKは得点の予感できるボールでしたが)きょうが特によかったことはあるが、練習ではセットプレーから決めている。背の高い選手がいるので決めてくれてよかった。
《南萌華》
失点しても相手に飲まれず、そこからスイッチを入れ、ゴールが決められた。失点は流れとしては良くないが良いスイッチになった。前半のうち雨が降ってきて、裏へのボールを減らしながら、テンポよくツータッチくらいでボールを回せた。自分たちの力だけじゃなくて、まわりのサポートがあっての調子の良さ。みんなに感謝したい。
《池田咲紀子》
(失点しても、大丈夫でしょ?という余裕を感じましたが)まさに試合後、チームメイトと「失点して申し訳なかったけど、点を取ってくれると思っていた」とちょうど話をしていた。相手の決定的なチャンスが少なく、失点したところだけだった。そこで自分が仕事できなかったことはチームに申し訳なかったが、守備の安定から良い攻撃ができた。後ろから見ても「頼む」じゃないけど、前線からのプレスや途中から入った選手たちが頼もしく見えた。
INACのように今季、負けている相手に対して、気負いせず、楽しんで試合をしていた。今季、後半は特に自分たちのサッカーに対して、信じ切って、やり切れている。成功したことの喜びを共有できている。そのことが成功体験になり、苦しい時間でも自然と声をかけあえている。
(佐藤亮太)
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