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[女子]日体大戦を振り返る 選手コメント

開幕から連勝となった2019プレナスなでしこリーグ1部の第2節・日体大FIELDS横浜戦を通じて、今季から指揮を執る森栄次監督の考え、チームづくりの一端を知ることができた。森監督は、このチームのストロングポイントの1つに、セットプレーを挙げた。

森監督は「どんなに難しい試合内容でも、強いチームというのは、セットプレーでゴールを決めることができてしまう。(セットプレーを生かせることは)強いチームの証拠」と語る。そんな森監督にとって、疑問だった。「これだけ背が高い選手がいながら、良いボールを蹴ることができる選手がいながら、なぜ、セットプレーでゴールが入らないのか」。現在、キッカーは背番号10MF吉良知夏が主だって務めている。そして、ゴール前に立つターゲットには、170センチ前後の選手がそろっている。

日体大戦でチームを救う同点弾を決めたDF長船加奈が170センチ。昨季のFIFA Uー20女子ワールドカップで優勝を果たしたUー20日本女子代表チームの主将を務め、今季なでしこジャパンに選出されたDF南萌華は171センチ。FW菅澤優衣香が168センチで、日体大戦の途中出場選手で言えば、DF高橋はなが168センチ、FW大熊良奈が169センチと人材は豊富である。

日々の練習の中で、森監督は「セットプレーはキッカーが8割だ」と吉良に口すっぱく伝えていると長船が明かす。長船は「その言葉に、チナ(吉良知夏)は今まで以上に集中して練習を積んでいるし、その姿を見たら、ゴール前に立つ自分たちに出来ることは、気持ちの面から、もっと強く入っていくこと。そのイメージを持って、自分たちがゴールを決めなければ、という責任感がより強く芽生えるようになった」と話す。

昨季より、メンバー構成に大きな変化がない中で、セットプレーに大きな可能性を感じる理由は、指揮官の声にあったということだ。

今回の日体大戦、前半は攻撃が手詰まりになり、ボールを保持するも、迫力を出すことはできなかった。だが、FKからあっさりと同点にしたことで、ハーフタイムでの修正、後半の巻き返しにパワーを注ぐことができた。今後も、チームはセットプレーに自信を持って臨むだろう。キッカーは水谷有希や栗島朱里も選択肢の1人。位置や展開によって、変化を与えることができる。

指揮官は、言葉が豊かだ。だが、決して答えは出さない。それが「選手と一緒に戦っている」という森監督のスタンスからくる。森監督は「ミーティングのたびに、宿題を出しているようなもの。ヒントを与えながら、どうしたら良いのかをみんなで話し合い、一緒に考える。私は、答えを出さない」とチームづくりの方法を教えてくれた。

選手たちが成長する過程で、考えて実行することが重要だという考えだ。「すべての答えを先に言うのではなく、いろいろとやっていくことが大切。一方的に伝えるのではなく、ピッチに立ち、プレーしているやっている選手の反応が一番。今、何がうまく進んでいて、何がうまくいっていないのかを、選手がどう感じているか。それを、選手たちの言葉から把握し、じゃあ、こうしよう!と、こちらが引き出しの中から提示する。それが選手交代であり、システム変更である。きょうの試合(日体大戦)は、それがうまく運んだ」(森監督)。

次節は3月31日(日)、ホームの浦和駒場スタジアムで、2019プレナスなでしこリーグ1部 第3節の日テレ・ベレーザ戦を迎える。森監督にとっては古巣対戦となる。それだけではなく、国内敵なしのベレーザ相手に勝ちたいという気持ちがチームの中に高まっている。吉良が「どうなるのか、楽しみ。どのくらい通用するのか、しないのか。やっぱり、勝ちたい。今年は「勝てる」と信じている。ホームなので、笑って終わりたい」と話せば、長船は「勝ちたい。内容も伴った勝利をしたい」と闘志を燃やす。そこに不安はない。今ある力を出しきる、それだけ。

是非、3月最後のゲームに注目して頂きたい。

《水谷有希》
立ち上がりに予想外の失点があったが、慌てることなく、1点ずつ返していった結果が5点になった。スタートから流れを止めないという意味では、連勝できて良かった。私たちがやろうとしているサッカーを貫いたことによって得た勝利だと思う。

自分たちのリズムで、相手がどんなに前から来ようとも慌てずにつなぎながら、ボールを失ってもすぐに取り返して、マイボールの時間を増やすというやり方の中で、(中盤で)リズムを作るのは得意なので、そのリズムの中に、自分が1人加わることで、より良い流れが作れていたら良いなと思う。(南)萌華が当てるだけのボールをくれたので、本当に当てただけ。ポジションはどこでも出来るのが強みだと思うので、そこは監督の指示通りにできたかな。2点目も、当てるだけの、味方が素晴らしいボールを出してくれた。当てるだけだった。ヘディングでの2ゴールは人生初かと思う。

今は、自分の周りで起きていることを感じ取りながら、自分に出来ることを探しながらプレーしている。(常に動きながらのプレーは)止まっていると、相手としたらつかみやすいので、自分がプレーする上で、ずっと相手に見られている状態でプレーしたくはないので、ずっと動いて、動いて、相手と相手の間にずっと立って、マークが誰だ?という状態を、相手からしたら作りたいと思って動きまわっていた。味方を見ながら、全員同じようなことができるので、ポジションチェンジもありながら、お互いを見ながら好きにして良いということで好きにさせてもらっている。前回の試合で出た課題のところの、苦しい時間帯をどうするかというところは今回も訪れたわけで、その中で、しっかりと前回の反省を生かして乗り切ることができたのではないか。シーズンは長いが、良いスタートをきることができた。この波を続けて、自分らしくプレーしたい。

なでしこリーグの激しさや空気感に慣れていない部分はあるが、2試合で少しずつ分かってきたことはある。ただ、強いチームとの対戦は残っているし、その時に、どうなるか。そこを楽しみにしている。(日テレ・ベレーザとの対戦は)超楽しみ。(自分のプレーで)見せることは変わらず、自分のところでリズムを作ることだったり、ゴールに絡むということが実現できたら嬉しい。

《吉良知夏》
きょうは、少し笑って帰れるかな。前半は、相手の嫌なところをうまく使えなかった。自分のポジショニングが中に寄りすぎて、中に人がいすぎたし、もう少しサイドハーフなので、幅を使って、中のスペースを空ける作業をしなければと思った。ボックス型にすると、必然的にサイドバックが高い位置を取れるので、それは狙いであった。チームみんなで、試合前にも狙えると話していた。そのフォーメーションになってからは、より狙いやすかった。

森監督の言葉はイメージしやすい。練習でも、やり続けることは変わらないし。相手がどうであれ、自分たちがやっていることは変わらないので、試合を重ねるごとに、どんどんと良くなっていく感じがあり、今季、とても楽しみ。

《菅澤優衣香》
前線では(水谷)有希がいろいろと動いてくれるし、自分はポストプレーができるので、うまく役割を互いに分かりながらやれている。それがうまく試合に落とし込めているのかなと思う。最後は、中から有希の声が聞こえたので、しっかりと、左足だったが、しっかりとボールが届くようにと蹴ったら、決めてくれた。(ボールを入れたあとは)力尽きていた。

前半は、少しボールをつなぎすぎていた。1つ、裏に蹴るという選択肢を持たなければいけないというのは選手もたぶん感じていたと思う。そこを監督がハーフタイムで伝えてくれたことで、みんなの意識が変わった。つなぐだけではなく、簡単に裏を狙うという選択肢を持つようになったのが、前半と後半の違いかなと思う。清家貴子も(柴山)史奈も、高い位置を取りながらというのがハマった。

今回の試合は中2日だったし、ベースは崩さず。その中でチーム全員なので、スタメンとしてピッチに立つ選手だけではなくて、ベンチにいる選手もいつ出ても良いように準備をするということは出来ていた。後半にメンバーが入れ替わっても、うまく試合を運ぶことができていたと感じる。(スピードのある選手が途中出場で入ってくることは)相手にしてみれば、怖い存在だと思うし、自分たちにとっては助かるし、やりやすかった。

(日テレ・ベレーザ戦は)厳しい戦いになると思うが、チーム全員で勝ち点3を取りたい。FWなので、ゴールも決めたい。

《柴田華絵》
早い時間に失点してしまったが、自分たちで落ち着いてプレーしようと戦う中で、勝てて良かった。試合の最初は相手のプレスに困ったが、その後はその流れを自分たちのペースに持ってくることができた。主導権を握って、試合を運ぶことができた。システムが変わってもやることは変わらない。その点で、うまくできたのだと思う。今季初ゴールを取ることができて良かった。クロスからの、本当に高橋はなが良いところに上げてくれたので触ったら、うまく入って良かった。自分がフリーだなと思ったので、タイミングでうまく飛び込むことが出来て良かった。

《長船加奈》
前半に事故で1点入ってしまい、そこから自分たちの中で崩れないで点を取りに行くことが出来た点は収穫。前半で取り返し、後半、勢いを持って5点までゴールを奪うことが出来たのは、勢いを持っていけたかなと思う。失点したけれど、みんな気にせずに出来ていた。その切り替えが良かった。

(ミスが起こったGK松本には)ああいうことがあると、ビビって、前にボールを蹴ることになるものだが、そういうこともなく出来ていたので、このまま行こうと声を掛けながらプレーした。本当に良いボールだったので、相手もそんなに気にならない感じで打つことが出来た。

(風の影響か)ボールの滞空時間が長かったおかげで、相手との競り合いがやりやすかった。良い感じで頭1つ出たかなと思う。練習で出来ていることをそのまま試合で出すことが出来ているのが良いなと思う。今までは練習でつなぐことが出来ていても、試合になると(慌てて)蹴ってしまうことが多かったが、試合の中で、自分たちで流れを作ることが共通意識にあり、出来ているのかなと思う。

(4点目のように)ボールをポンポンポンとつなぎ、後ろから人が出ていく形は象徴的だと思う。森さんも言ってくれるので、少しプレッシャーだが、そうやって期待されているぶん、自分の中でも強く行こうと思えている。それは良い感じでプレッシャーになっている。森さんの言葉は分かりやすく言ってくれる。行ってミスしても良いからやろうと。チャレンジ精神を評価してくれるから、それは気持ち的に楽になるというか。ここは行って良いのかという判断基準が出来ている。

ベレーザ戦、勝ちたい。内容も伴った勝利をしたい。


(有賀久子)
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