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インタビュー

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[REDSインタビュー]GK福田史織が開く新時代。正念場の新シーズン

「REDSインタビュー」は、トップチームやレディース選手、監督、スタッフ、関係者などを深堀りし、その言葉を掲載するコーナーだ。
これまでゴールを守り続けた池田咲紀子が怪我で長期離脱するなか、抜擢されたGK福田史織選手。18試合に出場した福田は、どのようにリーグを戦ってきたのか。もともとFWだった福田がGKにコンバートした経緯とは?また、相棒である石川璃音、同期の島田芽依について、そして2023−24シーズンについて、およそ30分間、福田は語った。
(※6月28日オンライン取材)



RP:リーグ優勝を果たした2022−23シーズン。福田選手は18試合、先発フル出場しました。ご自身、どのようにシーズンを振り返っていますか。
福田:最初は緊張してミスが目立ちました。しかし、試合を重ねるごとにDFとの連係が良くなり、落ち着いて、遠くまで見えるようになって、成長したなと感じました。たとえば、自分がボールを持つ前の状況確認は、出場を重ねることで、どのタイミングで見れば良いのか、この選手には、このボールを蹴った方が良いのか、ということも分かるようになりました。ボールを出しやすい選手。そうですね……。(菅澤)優衣香さんや(猶本)光さんが動き出してくれるので、出しやすいですね。あとはシマ(島田芽依)、(清家)貴子さんなど、前線の選手です。レッズレディースの選手はみんな、身体が強いので、頼もしいです。

RP:2位と差をつけてリーグ優勝しましたが、そう簡単ではなかったはずです。連係面では以前、お聞きしたように安藤梢選手と石川璃音選手と話し合いを重ねたことで深められました。シーズンを戦うなかで、「守備は大丈夫になってきたな」と思えたゲームというのは、どこでしたか?
福田:皇后杯あたりからですかね。

RP:なるほど。WEリーグカップで優勝して(10月1日)、10月下旬にリーグが始まって、皇后杯4回戦のAC長野が12月18日で、準々決勝のINAC神戸が明けて1月15日ですよね。ちょっと時間がかかったというか、もう少し、早い段階かなとも感じていました。
福田:ディフェンスラインが大幅に代わって、(11月に高橋はなが長期離脱。安藤梢がコンバート)話し合いながら……。はなさんと梢さんと、人によって違いますし、(石川)璃音も立ち位置が左右逆になったこともあります。なので、梢さんが定着し始めた皇后杯あたりで安定し始めました。

RP:シーズンを戦って「GKにとって良いゲームだった」という試合はありましたか。
福田:ホーム・EL埼玉戦(1対0・第10節・3月12日)ですね。ずっと攻めているのに全然、点が決まらない、じれったい時間帯がありました。相手のカウンターもありましたが、前半、自分のセーブで試合のリズムをつかめました。そこからDFと協力して守れました。

RP:以前、福田選手はボールに触ることでリズムを作るタイプとおっしゃっていました。でも、今のチームは攻撃的で、ほぼピンチがない。でも、いつ訪れるか分からないピンチで、ちゃんと守らなければならない。これって、とても難しいことですよね。
福田:EL埼玉戦では、前半のうちにピンチが来てくれました。失点したら最悪な状況になりますが、GKとして、あの時間でセーブできてよかったです。

RP:GKは特殊で、ちょっとでも不安になると、その不安がチームにじわりと広がってしまうので、メンタルが重要なポジションだと思います。ご自身、メンタルは強い方ですか?
福田:メンタル……弱いですね。ミスをすると、どうしようって思うタイプです。ミスが続くこともあります。その時、まわりの選手が声をかけてくれます。自分でも「落ち着け、落ち着け。これ以上、ミスを重ねないように」と言い聞かせています。

RP:話は変わりますが、ご家族みなさんがサッカーをしていたスポーツ一家と聞いていますが、皆さん、GKというわけではないですよね。
福田:はい。違うポジションですね。私がGKを始めるキッカケになったのは、レッズレディースのジュニアユースのセレクションを受けた時です。当時、私のポジションはFWでした。ちなみにスピードタイプで、前に蹴って、とにかく走れ!という感じでした。セレクションで、フィジカルの測定がありましたが、跳躍力と、父の身長が186センチで高かったので、クラブの方が「将来、背が伸びるんじゃないか」とみていたそうです。二次セレクションが終わって、しばらく経ってから、連絡がありました。その時に「GKとFW両方やるなら合格だよ」と言われて、「やります!」と返事をしました。はじめはFWをやらせてもらって、途中でGKユニフォームに着替えて、そのまま試合に出たこともありました。アップのときはフィールドのユニフォームを着ているのに、GKと一緒にやっていました。

RP:本格的にGKになったのは?
福田:ある試合で、GKのユニフォームでアップをしていたとき、当時、ジュニアユースのGKコーチだった清水(泰治)さんに「GK1本でプレーしたらどうだ」と言われました。たしかに、まわりとくらべて「自分はFWをやっていても通用しないな」と感じていたので、それなら「ゼロからGKを始めた方ができるんじゃないか」と判断しました。それが中学2年生でした。しかも(クラブの見立て通りに)小学校の頃から背も10センチくらい伸びました。

RP:福田選手はリーグ最終節・EL埼玉戦、ベンチ外でした。代わって、先発したのが、大怪我から復帰したばかりの池田咲紀子選手でした。自分のいない、この試合をどのように見ていましたか。
福田:スタジアムにいて、ちょうどベンチ裏で見ていました。今年のレッズレディースは攻められることが少なく、この試合もそうでピンチはなかったのですが、(池田選手は)ビルドアップがうまいな、と改めて思いました。自分は跳躍力を武器にしているので、シュートストップや、クロスが多くくるので、クロスでは負けたくないですね。

RP:福田選手からみて、守備の相棒である1つ年下の石川璃音選手は。
福田:璃音は……頼りになる友達ですね。後輩という感じではないですね。大きいですし。私が先輩だからといって怯えることもなく……プレーではとても頼りになって、明るくて面白い友達という感じです。
(いつも笑っていますが)本当にうるさいんですよ、練習中も。よく思い出し笑いをしています。一番驚いたのは、レッズレディースに璃音が練習参加したとき。普通なら緊張して固くなりますが、1人でわぁーって笑っていて、最初から。すごいな、と思いました。

RP:また、石川選手とともに活躍した島田芽依選手は20試合に出て8得点をあげました。
福田:シマ(島田)は、すごく努力家ですね。週に1日、2部練習として、上野紗稀さんや貴子さん、怪我をする前だったら、高橋はなさんなど、何人かの選手と午後にシュート練習をしていました。伊能真弥さんとGKコーチがいて、何百本もシュートを打ち、そのシュートをGKが受けていました。シマは、昨シーズン、点が取れませんでしたが、(シュート練習の成果が出て)今年はリーグで8点取れて……。私も、シマも、気持ちが沈むことがあります。私が沈んだ時に、一番に声をかけてくれるのがシマです。高校の時から、ずっと一緒にいるので、いつも励ましてくれます。

RP:最後に来季について、お聞かせください。
福田:GK陣は2022−23シーズンは(伊能)真弥さんと2人体制でしたが、来季は4人に戻ります。誰が出ても上手なので、誰もが浦和のゴールを守れると思います。そんななか、自分が試合に出て、2022−23シーズンよりも失点を少なくしたいです。

(聞き手:レッズプレス!!佐藤亮太)

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